非暴力

January 15, 2009

環境家計簿

 オバマ就任前に、やっぱりやってくれたイスラエルが猛攻撃しているガザ地区の封鎖解除を求める署名をやってきたんですが、そこからリンクされていたクリック募金をポチポチやってるうち、『エコチャレ』というサイトになかなか便利そうな環境家計簿があるのを見かけたので、さっそく使ってみることにしました。

 会員登録を済ませたら環境家計簿の入力画面に、毎月の電気、ガス、水道、ガソリン使用量などを入力するだけ。簡単簡単。
 うちは石油ストーブもマイカーもありませんので、灯油・軽油・ガソリン代はゼロなんですが、それでも去年のCO2排出量は2704kgとのこと。完全に昼夜逆転生活なんでね、もう。
 もちろんこれは光熱費の分だけで、消費した商品が製造・使用・廃棄過程でどれだけCO2を出したかは分かりません。それにしても、3㌧近くの気体って、体積にしたらどんだけぇ…?

 毎月の環境家計簿を入力するとポイントがたまり、とりあえず2年分入力しただけでも125ポイントになりました。ポイントはエコグッズと交換できます。
 他にも、このサイトから楽天にログインしてお買い物してもポイントがたまります。
 なのでさっそく、かねてから狙っていたポルトガル製シランポスの圧力鍋を注文してしまったりして。ガス使用量の節約は、まぁ、気持ち程度ですが、うちはマクロビ料理が多いので、玄米や分づき米を焚いたり豆なんかを煮たりするのにきっと便利ですよね~。圧力レベルの表示部分が緑黄色赤のポルトガルカラーでとってもチャーミング。

 クリック募金のサイト『イーココロ!』も、会員登録すればクリックでポイントを溜めて、自分が選んだNGOに募金することが出来ます。

 署名TVには、ガザ封鎖解除の他にもさまざまなweb署名があって、どんなにひねた大人だって一つや二つは署名したくなるものが見つかると思いますから、指一本動かさないでいるための言い訳を考えてる暇があるくらいなら、ちょっと覗いてみて下さい。

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September 30, 2007

ついにマイクロ金融に出資!!

  NHKBS で再放送していた「社会起業家の挑戦」シリーズの1回目「途上国を救うネット融資」を、さっき見ました。
 取り上げられていたのは、KIVA(スワヒリ語でagreementの意味)という、ネットを通じて個人からの融資を募り、途上国のスモールビジネスに出資する仕組み。ノーベル賞を取ったグラミン銀行との違いは、融資がP2P、個人対個人であるということ。顔が見える絆という点ではフォスターペアレントの仕組みに近くて、しかも一方的な寄付じゃなく、対等な融資であるという点が特徴。一口25ドルから参加可能。
 利子は付かないですが、ちゃんと1年前後の融資期間を経て返済されます。返済率今のところ100%。ビジネスが上手くいかなかった案件ももちろんあるようですが、現地事務所(提携NGO)が別の賃仕事を紹介して、完済までフォローすることになっているそうです。
 ドル建てだから為替リスクはありますが、逆に円が強い時に集中して融資をしておけば、為替差益が出る可能性もあるってことですね。

 KIVAでは、PayPal決済と現地への送金手数料をゼロにする交渉に成功していて、私たちが融資したお金は全額、途上国の融資先に届きます。そのかわり、融資額の1割をKIVAの運営資金のために寄付してくれるようお願いされます(寄付は任意)。各地の提携NGOが、融資先の発掘、審査、アフターフォローまで責任を持つ仕組みになっているようです。持続可能なビジネスモデルとして成り立たせようというところが良いですね。

 で、私も早速一件、二口50ドルの融資をしてみました。
 相手はパラグアイのテレサさん。食料品店を営む既婚女性47歳。お店にフリーザーを入れて夏の商売の役に立てたいとの申し出です。「夏はもう終わっちゃうし……」と一瞬思ったんだけど、パラグアイは南半球ですね、夏はこれからですね、失礼。ということで、彼女に決めました。
 PayPalのアカウントは、海外通販をやった時に作ってたので、すんなりあっさり、クリッククリックで融資完了。PayPal日本語対応ページも出来たので、英語が苦手な方でも簡単にアカウントが作れます。
 最初の融資と同時にKIVAにもメンバー登録すると、私の融資状況等、ポートフォリオのページができあがります。このページに各案件の状況、融資相手の近況などが表示されます。

 NHKの番組でも紹介されていましたが、マイクロ金融の効果というのは、単にお金の問題に尽きるものではないんですよね。途上国の借り手は、まとまったお金を手にすることで商売を始めたり、すでにやっている商売を拡大したりして、お金を返すわけですが、滞りなく返済することが、そのまま彼ら/彼女らの自信になる。返済の証明書は、「私には信用がある」という証明になるんですよね。これは貧困の中で尊厳を取り戻す大きな力になる。その点で非暴力と同じく、人間が尊厳を取り戻すための重要なエンパワーメントになるんですね。
 そして貸し手である私たちは、貧困を生み出す世界経済の仕組みに立ち向かうことなんて出来ない、という無能力感から一歩踏み出して、小さな一つの成功体験を手に入れる。未来は、適切な仕組みと意志さえあれば、変わっていくかも知れないんだと希望を持てる。暴力的(に傾きがち)な世界経済の中に、非暴力的な領域を確保しようという意思表示であり、手軽に成功体験を手に入れられるプラットフォームとして、やはり重要なエンパワーメントになると思うのです。

 各方面で紹介されて急激に知名度が上がっているせいで、現在融資を待っている案件の数はそれほど多くありません。アフリカ方面は皆無で、多くがウクライナ、タジキスタン、アゼルバイジャン、パラグアイ、メキシコあたり。シングルマザーが子供を学校にやりたいので……というような涙袋満載の案件はすでに融資が満額集まっちゃったのでしょう。今募集しているのは、すでに市場にお店を持っている人など、商売が一応成り立っている人が多いみたい。
 お家を建てる費用が必要という女性--今は柱だけで、壁と床を張りたいとのこと、バイクタクシーの運転手をやっているダンナに、自分のバイクを買ってあげたいという奥さん、などなど……各案件の紹介を見てると楽しくて、ついついあれもこれもと融資したくなって来ちゃいます。気分は“小さな銀行家”。これはクセになりそう。

 この記事を書いている間にも、テレサさんへの融資が続々と集まってます。あと500ドル! 無事にフリーザー購入できると良いな。
 興味を持った方は、横にあるKIVAのバナーをクリック!

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August 07, 2007

ハンナの夏休み--或いは、8月に非暴力を思う

Image042
Image041 8/3~5、犬たちを連れて河口湖に行って参りました。
 第一の目的は、富士山北口本宮浅間神社の薪能を見に行くこと。立派な杉の林に囲まれた神域の神楽殿は雰囲気が素晴らしくて、毎年の楽しみです。今回は「通い小町」と「天鼓」。梅若六郎さんの天鼓は、ラストに向けて北島マヤの一人芝居のように情景が広がっていく!!スペクタクルな舞いが見所です。

 犬OKのリゾートクラブに宿泊。ドッグランで犬を遊ばせたり、林の中の遊歩道をお散歩したり。
 写真は人気のない芝地。犬たちを放して遊ばせるのは気疲れするので、3匹のリードを結んでおきました。これなら万が一パニクっても遠くまで走っていってしまう心配はないでしょう。

 名付けて、「非暴力ワークショップ 3匹の犬編」。Image044

 非暴力トレーニングの本を3冊ほど読んだところなので、とても興味深く観察しました。3匹にとっても協調性を学ぶ良い機会になるはず……と、「協調性×」と通知表に書かれ続けた飼い主が言うのもなんですが。
 やはり最初のうちは、非暴力ワークショップというよりは、「ベクトルの合成」の図になってしまいましたが…。
 それでも、やがて時間がたつうちに、何となく群れの行動、群れの意志に集約していきましたから、ワークショップの目的は達成されたかな?Image0451
 犬の場合は力が強いものが群れのリーダーシップをとるのが基本ですが、その時々で気力に勝る者が進行方向を決めたり、進むのを拒否する意志が勝ったりと、それほど単純じゃないところが面白いですね。特に、当面の好奇心が満足した後は、体力の劣る者に合わせる様子さえ見せました。このくらいなら人間にも出来るはず。
 非暴力トレーニングの話は、いずれ改めて書くかも知れません。

 非暴力といえば、辺野古での米軍施設建設反対の運動は、キングやガンジーがやったような本当の意味での非暴力運動に育っていっているようです。代表者の平良夏芽牧師さんの次の言葉が、何よりも胸を打ちました。

 「もう一つ大切なことは、辺野古の闘いは「相手との関係性を大事にして来た」ということです。基地建設計画が白紙撤回されたとき、作業をしていた人たちと酒を飲めるような、そんな阻止行動を目指してきました。現実は厳しいもので、なかなかそのようにはいきませんが、目指していたのはそのような関係性です。」

 キングだったかガンジーだったか忘れましたが、敵対した相手方の地域ボスかなんかに、のちにガンジー風の革のサンダルをプレゼントしたなんてエピソードがあったと思います。仲間たちを何人も殺されて、それでも未来に向けて関係を結んでいこうという意志に、少しだけピリッとスパイスのきいたユーモアをこめたプレゼントだったと思います。
 アイルランドでの英軍の対IRA作戦もついに終了しました。あれほどの憎しみの応酬にも終わりがあり得る。
 ブッシュ的妄想に呑み込まれない足場を、もう一度見つめなくちゃと思う8月なのです。

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January 03, 2007

戦災復興マンガ『不死鳥のタマゴ』

 戦災復興マンガつながりで、『パンプキン・シザーズ』より前から読んでいた作品をもう一つを紹介しとこうかと思います。
 
『不死鳥のタマゴ』全3巻 紫堂恭子 角川アスカコミックスDX

 こちらは舞台設定が現実にベースを置かないピュア・ファンタジーでコメディ・タッチですが、テーマのシビアさは、実は紫堂作品の中でも久々の大物だったと思います。

 内戦が終わり、新政府の保安隊員としてエルダーという田舎町に赴任してきたクリスは、戦時中敵対した王党派寄りの土地柄から、村人に反感を持たれるなど苦労していた。ある日、ボロ雑巾のような鳥の雛を拾って帰ると、それが人の言葉を話す不死鳥のヒナで…「ちゅん」ちゃんというそのヒナの、暴走するラヴ・パワーに振り回されっぱなし…というお話。

 手柄が立てたいなら本隊で王党派の残党狩りをすればいい、という先輩隊員に、「…内戦はもう終わりました。残党狩り以外にも仕事はあるはずです」というクリス。彼がエルダーに来た目的は、内戦中、彼が崖から落ちて大けがをした時に助けてくれた恩人--顔も声も分からないがエルダーの出身とだけ分かっている、敵兵だった誰か--を見つけること。

 熱意と誠意で次第に人々に迎え入れられていくクリスだったが、王党派の兵士だったヒューが町に戻ってきて、敵意をむき出しにされる。ヒューにとって、戦火を免れた故郷、変わらぬ風景と人々の中にとけ込むかつての敵兵クリスに比べ、戦場帰りの自分だけが異質なものであるように感じ、もとに戻れずに苦しんでいたのだ。
 レストランで働く村の娘キャロルは、戦死した父の最期の様子を知りたいと願っている。兵士だったクリスとヒューは、キャロルの父が死んだ戦いのことは聞き知っていた。だが、敵味方双方が孤立し補給をたたれ、飢えと病気で地獄さながらの様子だったというその噂をキャロルに告げることは出来ない。
 ヒューとクリスは反発しながらも接していくんだけど、二人とも、たまたま生まれた土地が王党派と議会派だっただけで、自分でどちらかの陣営を選んだわけではない、ということも分かり合っている。「誰だって同じさ。そんなもんだ」「そうだよな…そんな理由で戦うんだ」
 クリスはヒューに向かって言う。老人や子供やキャロル達、エルダーの町の人たちが戦いの被害者であるのに対して、「俺たちは、俺たち二人だけは皆と違う…戦いの、加害者でもあるんだ…」

 不死鳥のヒナちゅんちゃん、吸血こうもりだこのちちち、ゴブリンのゴブ子さんなど、ファンタジックなキャラクターに引っ張られて話が展開していくので、深刻な背景を女の子読者にも受け入れられるよう配慮されている。まぁ、その分、物足りなさは残るけど…。

 紫堂恭子さんの作品では、『グランローヴァ物語』がダントツの出来で、『辺境警備』も非常に愛着のもてる魅力的なお話だった。掲載誌の意向で未完に終わった『エンジェリック・ゲーム』は、武器商人の父親から少女がどうやって自立するかというお話だったし、『ブルー・インフェリア』は文明を壊滅させた感染症を巡るスケール観のあるSFだった。これら初期の作品群と比べると、その後は、一定のクオリティの「良い作品」を書いてくれているにも関わらず、筆が達者になりすぎて、良くも悪くも「安心して読めてしまう」(私は嫌いだけど上手いとは思うCLAMPっぽい筆の達者さになってしまったような…それが角川クオリティ?)。いつもちゃんと中身のあるテーマを扱ってるし、エンターテイメントとしても楽しませてくれるが、入れ込むほどの魅力は感じられなくなっていた。(多分、量産しやすいようキャラの作り出し方が変わってしまったのだろうと思う)
 『不死鳥のタマゴ』も、初期作品のような無茶苦茶なパワーや魅力はない。掲載誌がプチフラワーあたりだったら、もう少しファンタジック・コメディの色を控えて、シリアスなテーマの方に力を注げたんじゃないだろうか。
 「内戦後の和解」を描くのに、ファンタジーという様式は、きっと本当に相応しいものであるはずだから、この食い足りなさが残念でならない。

   グラン・ローヴァ物語―決定版 (1)
   辺境警備―決定版 (1)
   ブルー・インフェリア―決定版 (1)
   エンジェリック・ゲーム VOLUME2 (2)

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December 29, 2006

戦災復興マンガ『パンプキン・シザーズ』 その2

その1から続く

○アリス・L(レイ)・マルヴィン少尉
 名門貴族出身の吶喊(とっかん)少尉。士官学校卒業式の日に停戦を迎えた。
 不正義を放っておけず、戦災復興に情熱を燃やす熱血派。
 デカくてゴツイ伍長のヒロインぶりに対し、小柄なアリス少尉の漢(おとこ)っぶりの良さと来たら!!

 任務を遂行した後、伍長が「戦って傷にまみれるのは構いません…でも、世界が変わらないのなら…戦う意味がないのなら」と駄々こねだすと、少尉は言います。「世界!? 背が高いとそんな遠くが見えるか!?」そして、「遠くを見るな、前を見ろ。そこにはちゃんとあるんだ……戦う意味が」。お嫁さんにして欲しいくらいの漢っぷりの良さです。
 また、伍長が「不可視の9番」のご同類に出会ったときには、「本当は戦いたくない相手なんだろ? …だったら--私が戦う」なんて言ってくれちゃいます。
 も一つだけ、印象的だったセリフ。「やがて失うものに意味がないのなら、あなたの命もまた無意味でしょう。時か、病か、刃か、いずれは奪われる。ならば今すぐ死にますか?」

 アリスの「貴族」としての誇りも、かなりよく書けていると思います。
 原作3~5巻の舞踏会事件では、「貴族だから裁かれない、(不遇な)平民だから(何をやっても)許される」などという不公平を許さない、彼女の「公平さ」への意志が描かれます。
 また、「そのうち誰かがやる仕事」を押しつけられたと部下達が愚痴をこぼす任務に対して、「うむ! “そのうち誰かがやる仕事”……まさに公務の神髄だな!!」と、やる気満々で徹底した公僕精神を示したりもします。
 あるいは、民が飢餓に苦しんでいる時代に、自分は毎日不自由なく食べていることを父親に指摘されると、たちまち食事が喉を通らなくなる素直さ(シモーヌ・ヴェイユだって配給食料の分は食べていたはずですけどねぇ)。絶食を続ける少尉に、オーランド伍長はそっと問いかけます。「患者は医者に、自分と同じ病気に罹って欲しいと思うでしょうか」。これもいいシーンです。

 アリス少尉というキャラの特色は、正義感や熱血ぶりよりも、社会への関わりにおける積極性かなぁという気がしています。行動の動機が社会的次元にあるんですよね、この人。
 目の前の人が可哀想だから、という個人的・心理的次元での動機以上に、そのような悲惨が許せない、という社会的次元に動機があるように思えるんです。「公益性」の観点が行動原理の根っこにあるキャラなんですよね。今時珍しい造形です。
 これは一面では彼女の幼さでもあるんだけど、とても大切な純粋さでもある。これがあるからこそ、部下のマーチスやオレルドも彼女の手足となって働くんじゃないでしょうかね。
 アリスが感情面で今後成長して行くにしても、社会正義へのこだわりは捨てないで欲しいものです。

 彼女のこの特色が現れてるなと思ったのが、6巻の郵便局事件。手紙に同封された現金目当てで大量の郵便物を郵便局員たちが盗んでいるとわかり、陸情3課が逮捕に向かいます。ところが犯人逮捕よりも盗まれた手紙の行方を気にする伍長の気持ちが、アリス少尉には今一つわからない。エピソードの最後で実例を目にし(戦死したと思っていた夫からの無事を知らせる手紙)、少尉はようやく、伍長の気持ちが少し分かった、と言います。「戦争で引き離された者から届く一言。その重さを伍長(おまえ)は知っていたんだな……だって、伍長(おまえ)は戦争を知っているから」。
 彼女は一人の女の涙を見て、社会的次元でものを考えた結果、戦争を知る伍長と、戦争を知らない自分との距離を感じてしまいます。これに対し伍長は、実は子供の頃母親に送った手紙のことを思い出して、そのせいで今回の任務に特別な思い入れがあったことを告白します。ごく個人的な動機です。少尉はそこでやっと、「家族を大事に思う気持ちなら--そんな気持ちなら私にだって分かるっ」と胸を張り、戦争を知る者と知らない者、伍長との距離を埋めることが出来る。少尉と伍長の特色がよくでていて、とてもいいエピソードだなと思います。

 彼女が公益性に軸足を置く理由は、「貴族」ということが大きいのでしょう。誇り高く、公正でなければならない、民を守り、時に民を律さねばならない。アリスの心が民主化されないことを切に祈ります。

 戦災復興というきれいごとを、恵まれた環境で育った貴族のお姫様に唱えさせて説得力を持たせるなんて、フツーに考えたら至難の業だと思うのですが、アリス少尉のキャラが絶妙なので、読んでいてとても気持ちがいい。世界を変えようなんて妄想は持っちゃいないけど、社会のあり方に対しては、それをただ与えられた条件、どうせ変わらない環境因として受け入れたりせず、とにかく何とかしようと突進していく--陸情3課を率いて。理想の上司No.1。ほれぼれします。

○陸情3課 パンプキン・シザーズ
 実働部隊の隊長がアリス少尉で、彼女の上司である課長は、昼行灯っぽいながらも、3課の若造たちをちゃんとフォローしてくれるおやっさん的なハンクス大尉。アリスの部下は、ゲルマン臭漂う帝国陸軍の中でもラテン系のノリを崩さない女たらしにして、勤務態度は不真面目だが譲れない一線では熱いところもあるオレルド准尉と、実務能力に長けた眼鏡くんにして、気配りの行き届いた3課唯一の常識人マーチス准尉、そして伝令犬マー君ことマーキュリー号と、軍楽隊出身の事務方リリ・ステッキン曹長。ここにオーランド伍長が配属されて、現在の第3課ができあがっています。

 「戦災復興」という3課の任務は、多分に軍のプロパガンダではありますが、アリス少尉はまるで大まじめに任務に誇りを持っているし、オレルド、マーチス准尉にしても、少尉の吶喊ぶりに溜息をつきつつも、まんざらでもない様子。伍長に至っては、「頑張るから…もっとマシな世の中になるように…頑張るから…俺、3課で戦災復興、頑張るからっ」と夜空に向かって(違うっ)叫んじゃうほど本気です。生きる意味、を少尉に見せられちゃった伍長にとっては、3課の存在意義は命がけです。
 軍のあぶれ者の寄せ集めである3課は、そもそも「平和でお気楽陸情3課」とか「お祭り部隊」とか呼ばれていたのですが、帝国の機密である「不可視の9番」出身のオーランド伍長が来て以来、きな臭い事件に巻き込まれてばかりです。

 3課とは対照的にエリート集団である陸情1課は、大人の事情満載。隠蔽・粛正路線で、ことあるごとに3課と対立しています。ストーリー的には敵方なのですが、登場するキャラはそれぞれ魅力的。場合によっては今後、3課との共働もあるかも知れませんね。

○戦場から帰還できない者たち--伍長の「同類」
 読み切りで登場した初回の敵、ヴォルマルフ中尉率いる903CTT化学戦術部隊は、伍長と同様「不可視の9番」でした。ページ数の関係でしょう、ヴォルフたちの戦時中の苦悩は一コマに凝縮されていますが、扱っていたのが化学兵器なだけに、事故で部下を失ったり、あるいは、データをとるためにわざと十分な装備を与えられなかったりという悲劇も想像されます。ヴォルフたちはおそらく、元々は正規の部隊だったのが、特別任務とでもいわれて化学兵器を扱う非正規部隊へと編成し直されたのではないでしょうか。少ないページ数の中では彼らに対する伍長の感情はあまり描写されていません。同類認定もヴォルフから伍長へと一方的です。
 「おまえは“こっち側”のはずだ、901…あんな奴らのために体を張ってどうなる…?」というヴォルフの言葉は、痛々しい。アニメへとメディア展開した時にこそ、この辺掘り下げて欲しかったですね。

 次に、早くも2巻で登場した908HTTのハンス。こちらも「不可視の9番」の一つである「単眼の火葬兵(アルト・シュミート・イェーガー)」唯一の生き残り。火炎放射兵装に身を包み、水では消せない超高温の炎で人間を焼き尽くす兵士です。元々は藪やバリケードなど進軍の障害物を焼却処理するための工兵装備だったのが、「やっちゃいけない殺し方」が出来てしまうことから、禁じ手の900番台に。
 ハンスの仲間たちは停戦後、防護服を脱いだために死んでいきます。高熱から彼らを守るはずの保護液が、実は火傷を自覚させないための麻酔薬でしかなかったために、防護服を脱ぐとたちまち、皮膚が崩れ落ちて死んでいきました。部隊の中で一番トロくさい奴であったろうハンスは、防護服を脱ぐのが遅れたために生き残り、停戦後3年、ずっと防護服を着たまま。食事と排泄には器具を使い、この先ずっと死ぬまで、防護服を脱ぐことは出来ないと自覚しています。
 ハンスからの同類認定(「ソノランタン、901ATT…。オレ「908」。…オレ、オマエ、仲間…」)をいったんは拒絶する伍長ですが(「901なもんか……俺はもう、陸情3課の…」)、ハンスを救いたい思いはつのります。伍長はハンスを殺さずに捕らえようとして、とどめを刺す前にランタンを消し、同類認定に応じようとしたその刹那、陸情1課の一斉射撃でハンスは殺されてしまいます。鼻水垂らして号泣する伍長。作中でも伍長はこの件からなかなか立ち直れませんでしたが、読んでるこっちも容易には立ち直れないヘヴィなエピソードでした。ハンスは、ヴォルフよりずっと伍長に似てたんですよね。境遇も、立ち位置も。

 もう一つは、6巻で登場のユーゼフ以下ベルタ砦の面々。軍人として、戦争に全てを懸けたが故に平和を拒み、停戦後、周辺の民間人を集めて軍事演習を強制、ついには村に攻撃を仕掛け、村人との戦闘の中であわよくば「戦死」しようと企てる狂気っぷり。
 (どうして勝手に共和国へ突撃しなかったのかという疑問はさておき、)ベルタ砦の部隊は「不可視の9番」ではなく正規軍ですが、伍長自ら同類認定。過酷な戦場を経験した者同士であり、「戦争」という怪物に捕まって帰って来れなくなった彼らの気持ちが、殺すしか能がないと自分を卑下している伍長には、分かってしまう。
 「同類の面倒は…見てあげたい…」という伍長の言葉に対し、村人が思わず「同類って…アンタ達とアイツラは違うよ!」と言い返します。自己評価の低い伍長には、時々こういう言葉が必要ですよね。コマ割りに余裕があれば、村人の言葉に小さく喜ぶ伍長の顔が見れたかも知れません。

○戦災復興を沮むもの--銀の車輪結社
 3課が関わったいくつかの事件の背後で糸を引いている秘密結社「銀の車輪」。
 作中では未だ、この結社の目的も成り立ちも語られてはいません。ただ、戦車の自動給弾装置やオートマチックの小銃など、作品世界にとってはオーバーテクノロジーにあたる技術を持っていて、それを惜しげもなく末端に与えたり、麻薬を売らせて詳細なデータを集めていたりすることが分かっているくらい。
 元少女小説家として、また全国一千万陰謀ファンの一人として、この秘密結社について考察してみましょう!

 時代の先を行く軍事技術を持っているのですから、
その1 自ら世界征服をたくらむシネシネ団である
その2 再び戦争を起こし戦火の拡大をもくろむ死の商人的結社である
 のどちらかなら、その2を推奨。

 また、秘密結社というからには、何らかの思想的結びつきがあってもいいでしょう。秘密結社が広める思想と言えば、「自由、平等、友愛」と相場が決まっています(ホント?)。すなわち、社会秩序の破壊(=自由)、万人の万人に対する闘争(=平等)、目に見える世界以外の超越的価値の否定(=友愛)。
 こっちの方面で行くと、銀の車輪が革命を煽るというパターンも考えられますかね。その際は、ホースト侯爵がオルレアン公の役回りか?

 まとめると、戦争や麻薬や革命や、とにかく世界を混乱させてうまい汁を吸おう系の人達と、焦土の後に新たな理想の世界を築こう系の人達が集まってるのが「銀の車輪」結社なんじゃないでしょうか…。終わらない混乱そのものが目的という方が、むしろ現実に近いかな?(←レオ様はこのタイプかも)

 いずれにしろ、この結社との対決がパンプキン・シザーズのラスボス戦ということになるのでしょうか? カウプラン機関がどう動くのかも、伍長の運命を左右する重大な要素ですが…。

 もしもこの作品が、銀の車輪結社を通して、戦災は決して必然ではなく、それによって利益を得るものが仕組んでいる、という一般解まで導き出すとしたら、すごいですね。すなわち、全ての戦災は人為戦災である…。

 ヘヴィなテーマを扱いながら、それぞれのキャラの魅力はもちろん、キャラ配置のバランスも良く、ギャグパートでは思いっきり笑えて、ストーリー展開も納得いくし、絵も綺麗。これだけの作品を描く作家が、ラストに向けて「一人また一人と仲間が死んでいく…」ような安易な展開はやらないと思うけど、伍長が最後どうなるかは不安が残ります。伍長が犠牲になれば読者を泣かせることは簡単にできちゃうけど、それはあまりにもなぁ…。
 3課の誰かが犠牲にならなきゃいけないとしたら、一番納得いくのは、実は恐ろしいことにアリス少尉だったりするんですよね。彼女は武門の誉れマルヴィン家出身の軍人だから、作戦中に命を落としてもいいんだよねぇ、本人的に。でも、アリスが死んで伍長が立ち直り可能なパターンというのは……出来ないことはないけどさ、それも切ないなぁ。物語の法則を発動するなら、レオ様がアリスや伍長を救っちゃうという結末も考えられますが…それをやる作者かどうかまでは、まだ読めないです。(るろ剣では雪代縁が薫ちゃんを助けるところで物語の法則が発動されましたね。これはある程度期待通りでした。)
 いずれにせよやはり、3課のみんなには全員生還して欲しいですよ。大波乱の後、陸情3課にいつもの日常が戻ってくることを願ってやみません。

 まだまだ先は長いと思うけど、当分は、伍長が可愛くて可哀想で心配でたまらない日々が続きそうです。

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戦災復興マンガ『パンプキン・シザーズ』 その1

 るろ剣トライガン以来、久々に入れ込み甲斐のあるマンガに出会いました。
 一部地域で深夜アニメ放映中の「パンプキン・シザーズ」の原作。今回は非暴力プロパーのマンガではないのですが、戦災復興部隊のお話です。

『Pumpkin Scissors』1~6巻 岩永亮太郎 講談社コミックス 月刊少年マガジン連載中

 舞台は架空のヨーロッパ、架空の二十世紀初頭というところでしょうか。戦車が無敵の陸戦兵器として花形であり、小銃は未だボルトアクション、民間では先ごめ式ピストルも使われていて、電信網は試験的な整備途上のため、軍隊では伝令犬が活躍中、軌道列車も自動車もあるけど、馬車もまだまだ現役、という感じの舞台設定です。

 フロスト共和国との長きにわたる戦争が、ようやく停戦を迎えて3年。アリス少尉率いる帝国陸軍情報部第3課、通称パンプキン・シザーズ小隊の任務は、「戦災復興」です。
 とある村で、野盗化した戦車隊と対決する第3課。たまたまその村にいた巨漢の復員兵オーランド伍長とともに戦車隊を撃退するところから物語が始まります。
 以下、例によってネタバレありです。

 野盗化した戦車隊は、実は戦時中、国際条約違反の化学兵器を使っていた903CTT(化学戦術部隊)「死灰を撒く病兵(クランクハイト・イェーガー)」を母体としていて、帝国軍部は彼らを存在しなかったものとして隠蔽しています。「不可視の9番(インヴィジブル・ナイン)」と呼ばれる、帝国が犯した禁じ手である900番台の非公式部隊の一つです。それ故、情報部は援軍を出すことを拒み、陸情3課は独力で奴らから村人を救わねばなりません。揮発性戦術毒キルヒ3号によって汚染された村を救うため、アリス少尉は野盗化兵が持っている抗体の確保をめざします。

 最強の陸戦兵器である戦車を持つ野盗に対し、わずか3人の部隊で立ち向かおうとするアリス少尉を、オーランド伍長は「無茶だ、それじゃ無駄死にだ」と止めようとしますが、少尉は逆に、「苦しむ民を見て、むさぼる悪を見て、貴様は何も感じていないのか?」と問い返します。「伍長(オマエ)こそ、本当の気持ちを無駄死にさせようとしているのではないか?」と。

 この言葉こそが、伍長の人生を完全に方向転換させるきっかけでした。ワケありげな伍長は、901ATTと刻印されたランタンを腰に下げ、「戦車は俺が何とかします」と作戦への協力を申し出、ほぼ単独で戦車を排除。その後アリス少尉によって、陸情3課に迎え入れられます。

○ランデル・オーランド伍長
 2メートルを軽く超える巨漢で、全身傷だらけ。戦時中には「不可視の9番」の一つ、「901ATT」すなわち「対戦車猟兵部隊」に所属した「命を無視された兵隊(ゲシュペンスト・イェーガー)」の生き残り。
 腰に下げたブルースチールのランタンを点けると、恐怖も痛みも感じなくなって、どんな怪我を負おうとも戦車に向かって歩き続け、大口径の対戦車拳銃「ドア・ノッカー」でゼロ距離射撃を敢行、戦車を撃破する。帝立科学研究所、通称カウプラン機関によって何らかの人体改造を施されている(涙)。
 ランタンのスイッチを入れると頭の中に「殺セ!!」コールが鳴り響き戦闘モードに入る伍長ですが、その間も本人の意識はあるらしく、戦闘終了を待たずに自らランタンを消すことも、いつの間にか出来るようになってます(これって本人的には大進歩だったのでは…?)。ただし、「殺セ」コールの強迫観念との葛藤は、なかなか辛い様子。
 ランタンonモードでも、別に素早く動けるとか筋力アップするとかじゃないので、強くなるわけじゃないんですよね……もしかして少年マンガの主人公離れした弱さではないでしょうか。どんな怪我をしても怯まないってだけなので、結果、伍長はいつも怪我まみれ。初回、2回目くらいまでは、対戦車のバトルシーンもちょっと格好良く描かれてたりするんですが、回が進むと痛々しさが増していくばかり。今のところ戦車は一度に一台しか出てきてませんが、多数の戦車を相手にランタンonなんてことにならないよう祈るばかりです。誰か伍長に、まずキャタピラを狙って動きを止めるとか、砲塔の接合部を狙って砲撃を無力化するとか、合理的な戦術を入れ知恵してあげて下さいヨ。

 普段の伍長はというと、その巨体に反して、単発銃を向けられただけで震え上がるほど臆病で、気が弱くおとなしくて、蚤の心臓というかガラスの心臓というか、本当は虫も殺せないくらい優しい奴です。ただし、摘んで捨てたくなるようなウジウジキャラとは違い、伍長はおとなしいけど言葉足らずではなく、言うべきことはちゃんと相手に伝えられるコミュニケーション能力も持っています。
 ちなみにアスパラサラダやポテトサラダばかり注文するベジタリアン系(町の定食屋じゃ、サラダにもベーコンが入ってるかも知れないし、ポテトだってチキンスープで煮てあるかも知れませんが、ともかく肉は食えない)。3課に配属後も(何故か)橋の下で野良猫たちと暮らしています。冬の寒さが心配です。

 気が弱く臆病な伍長ですが、ちゃんと一かけらの勇気を持っている人でもあります。野盗化兵たちが戦車を持っていると知れば、それは自分の仕事だ、と、ほとんど反射的に引き受けてしまう。根が利他的な人間に、本物の臆病者はいません。

 「ランタン付けてりゃ殺しまくりで、ランタンなしじゃ、何も出来ない…」というのが伍長の自己認識だったのですが、アリス少尉との出会いから、殺す以外にも出来ることがあるんじゃないかと模索中。
 「世界から見ればほんの一部ではあるけれど、伍長(オマエ)がなしえた“戦災復興”だ!!」という少尉の言葉に、体ふるわせて感動する伍長(かわいすぎ)。この言葉が、停戦後の時代を生きるよすがとなったようです。
 橋の下で猫まみれになりながら、夜ごと戦場の悪夢や、殺した人たちに泥沼に引きずり込まれる悪夢にうなされているのですが、最近は悪夢の最後に少尉が出てきて、「何をしている、伍長? 戦災復興だ!!」と笑顔で引っ張り上げてくれるようになったりもしました。伍長の中でアリス少尉の偶像化が進むのも無理はありません。(脱・偶像のエピソードもちゃんとあります!)

 傷まみれはともかく、美形でもない巨漢なんて完全にストライクゾーンの外だったはずなんですが……伍長は私の大好きな「時代に翻弄され」キャラ。
 900番台の非公式部隊出身である彼は、腰と脳に「鏡写しの冬虫夏草」を植え付けられていて、どうやらそれがランタンとともに彼の異常な戦闘能力の秘密らしい。冬虫夏草が成長しちゃうとどうなるのか、そうじゃなくても無茶な戦い方ばかりして先があるのか、心配はつきません。

 そんな伍長の必殺技は「ドア・ノッカー(大口径銃)」よりも、むしろ「ごめんなさい…」ではないかと。他にも、オロオロする、困る、しゅんとなる、「あう、あう」と狼狽える、ジャガイモを眺めるなどの、視覚性戦術萌えを多数装備、キュン死者多数。ファンの間ではすっかり“ヒロイン認定”されて総受け状態(←専門用語)です。

 →その2

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April 17, 2006

平和省

MLで流れてきた「平和省」プロジェクトというののお知らせを下にコピペしておきます。東京までわざわざ行くほどフットワーク軽くないので今回は様子見ですが、近くだったら覗きに行きたいなぁ。

きくちゆみ系人脈が多いようですが、「今、なぜ平和省なのか?」という話をする予定の上村雄彦さんは千葉大の院で公共研究センターCOE研究員だそうです。私は不勉強で著書を読んだことはありませんが…上村雄彦セミナーのページをのぞく限り、先進国途上国ともに視野に入れた持続可能性、グローバル化の問題に取り組んでいる方のようです。

九条を維持するにせよ発展的に改正するにせよ、平和省の設立くらいドカンとブチ上げるのはイイカモ。国際的な注目が集まっちゃって、景気まで良くなりそうだなぁ。暴力的な仕組みを非暴力的な仕組みに置き換えていく可能性って、もっとまじめに追求してもバチは当たらないと思う。
興味のある方はブログ内のコチラの記事もどうぞ→非暴力で安全保障!その1その2

------- 〈以下コピペ〉 -------------
<平和省プロジェクト キック・オフコンサート>
    防衛省より平和省 
  戦争の準備より平和の創造

今、日本は岐路に立っています。有事関連法で戦時マニュアルが整えられ、憲法や教育基本法を変えようとする動きが勢いを増し、共謀罪法で言論の自由が危険にさらされようとしています。私たちが知らないうちに、まさに戦争への準備が進んでいるといえるでしょう。

一部では防衛庁を「防衛省」にという声が聞かれます。それに対し、私たちは、すべての政策に非暴力の原則を生かす「平和省」を提案します。

今、世界各国で市民が主体となって、戦争で解決する時代をもう終わりにしようと、平和省を創る運動が始まっています。今年6月18-22日にカナダのビクトリアで開かれる第2回国際平和省会議には、日本からも代表を送りましょう。

暴力や戦争に代わるやり方を提案し、平和憲法を実行に移すために、ここに「平和省プロジェクト」を立ち上げ、キッキオフコンサートを開催します。平和を願うすべての市民の参加を歓迎します。

日時:2006年4月29日(土) 午後6時15分開場、6時
半開演(9時終了予定)
場所:全国教育文化会館 エデュカス東京(千代田区二番町12-1 電話03-5210-3511)
アクセス: 有楽町線麹町駅6番出口徒歩2分、JR四ッ谷駅から徒歩7分(旧日本テレビ前〉
http://www.zenkyo.biz/map.html

入場料:前売り(予約)2000円、当日2500円
*予約はメールか電話で:
YSasaki1933jp@aol.com 080-1089-3856
地球緑化プロジェクト:  03-3551-2340
*チラシを配ってくださる方は、地球緑化プロジェクトへご一報ください。

プログラム:
今、なぜ平和省なのか?  上村雄彦  
デニスクシニッチの平和省構想と各国の平和省運動 冨田貴史(予定)
(アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、他)
各地からの報告(千葉県、愛知県、兵庫県、他)
国際平和省会議のための呼びかけ  佐々木良雄

コンサート:
<池邊幸惠ピアノソロ>
<きくちゆみフルートソロ>
<「命の旅」 ~新しい人類の姿~>
弾き語り   ZAKI (自給自足のミュージシャン)
パーカッション いいじま∞じゅん(音楽活動家/TOS代表)

ー他の平和・環境グループのPRタイムー

<ニューフロンティアーズ -1>瀬戸龍介 森田玄
<和水(かずみ)>憲法9条 こころの歌

主催 :平和省プロジェクトJUMP(準備会) 
協賛 :地球緑化プロジェクト
協力 :「平和への結集」をめざす市民の風 
http://uniting-peace.net/
*平和への結集では呼びかけ人・賛同人を募集中です!

*JUMP:Japan United for Ministry of Peace
===================
今、アメリカでも平和省法案が議会に!

平和省法案を米国議会に提出したデニス・クシニッチ下院議員(民主党/オハイオ州)は、この法案を提出する際に、言いました。

「議長、私たちは心の奥底で知っています。恐れが私たちを暴力に導くこと、暴力が戦争に導くこと、戦争がすべての破壊に導くことを。しかも私たちは恐れを欲していません、暴力も戦争も欲していません。平和が欲しいだけなのです。私たちは平和を欲するあまりそのためには何でもしようとさえ思っています。それで安心のために軍備に予算の半分も使っているのです。

こんな暴力による平和維持など続かないことも知っています。そのやりかたでは私たちの子どもたちに未来を与えることができないことも知っています。

ですから今日、「平和と非暴力」省の設立法案3760を提出して新しい出発にします。これは、絶望ではなく勇気と希望を選択するという数十人の議員たちの宣言です。私たちは新しいアメリカと新しい世界を創ろうと宣言するのです。」

さあ、平和憲法を持つ国にふさわしい平和省を日本にも創りましょう!
あなたの地域でも平和省プロジェクトを立ち上げてみませんか?

*このコンサートの収益は国際平和省会議、および平和省プロジェクト
のために使われます。

きくちゆみのブログ http://kikuchiyumi.blogspot.com
911ボーイングを探せ http://www.wa3w.com/911
テロリストは誰? http://www.wa3w.com
グローバル・ピース・キャンペーン http://globalpeace.jp
Harmonics Lifeセンター http://harmonicslife.net
Global Peace Campaign (English) http://english.globalpeace.jp
Yumi's English Blog http://yumikikuchi.blogspot.com

------- 〈コピペ終わり〉 -------------

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January 31, 2005

「無防備地域宣言」学習会

 以前に非暴力で安全保障!その1その2という記事を書きましたが、それと関係あるかな~と思って、「無防備地域宣言」学習会というのに行ってきました。@ラボール京都。講師は大阪経済法科大学の澤野義一先生。主催は「無防備地域をめざす京都府連絡会(準備会)」と「非核平和・戦争非協力都市条例の実現をめざす洛西の会」という……客層も含めて、平和運動にありがちな、若い子が一人もいない、年齢層の高い年季の入った活動家の方々の集まりって感じで。
 でも話の中身は大変ためになる、面白いものでした。以下内容報告。

 無防備地域(non-defended locality)というのは1977年に定められたジュネーブ条約追加第一議定書で規定されている概念で、別に共産国家に占領してもらいたがっている左翼(なんて今でも実在するのか?)が勝手にでっち上げたファンタジーではありません、念のため。
 無防備地域を宣言すると、その地域への一切の武力攻撃が禁止されます。宣言は一方的に行うことができて、相手国には受領義務がある。
 宣言のための条件は以下の4つ。

a) 戦闘要員、移動可能な兵器・軍用設備が撤去されていること
b) 固定の軍用施設・建物がある場合は、敵対目的に使用しないこと
c) 当局又は住民により、敵対行為がなされないこと
d) 軍事行動を支援する活動を行わないこと
 この中で非暴力オタクとして気になるのはc)。この「敵対行為」とは軍事的な敵対行為であって、非暴力的な抵抗・非協力は可能だというのが法学者たちの見解だそうです(自分で調べてないので澤野先生の言によれば、です)。

 国際法による「戦争の違法化」の流れはけっこう進んでるンですね。ジュネーブ条約追加議定書では、住民・民用物と、戦闘員・軍事的目標を区別して、攻撃を軍事目標に限定する義務が定められてるし、文化財・礼拝所への攻撃の禁止、自然環境の保護、ダムや原発への攻撃の禁止、なども定められています。
 ……でも、あれあれ?イラクではモスクも病院も爆撃されてたよねー。って、アメリカ、追加議定書批准してないじゃん。批准したら戦争犯罪で裁かれちゃうもんね。ってか、それを裁く国際刑事裁判所にも参加してないし。さすが国益を守る強いアメリカ。ロシアも中国も、北朝鮮だって批准してるっていうのに。
 日本もやっと去年、追加議定書の批准に漕ぎ着けたばっかだそうです。恥。(外務省の「ジュネーヴ諸条約及び追加議定書の主な内容」のページ

 で、この無防備地域宣言、既に大阪市枚方市で、署名を集めて住民からの直接請求という方法で、条例案が市議会にかけられたそうです。いずれも否決されたそうですが、「リベンジや~! もっぺんヤッたるでぇ~」と一部地域で盛り上がってるそうです。他に藤沢市荒川区でも同様の運動が直接請求に漕ぎ着けたとかって。
 京都でもこれをやってみようと運動を始めてる人たちが、今日の学習会を主催してるわけです。

 有事法制、国民保護法など、ろくな説明もないまま小泉政権がばたばたと実現化し、改憲論も勢いづいているきな臭いこの頃。財界は武器輸出三原則の廃止を求め、「世界で競争に勝つ!」ことを目指してネオリベ路線まっしぐら。財界からの圧力のもと、自己責任の強調によって、これまで築いてきた福祉国家・平和国家としての国のカタチが根本から変容させられようとしています。自己責任で競争を煽り弱者を切り捨て、国民がぼろぼろバラバラになるのを、家族・共同体・愛国心とやらの保守的な価値で無理矢理カバーし、超監視・管理社会にしようというのが、この国のネオリベ政策の両面。
 きょうび四条河原町でビラ捲きしてると、商店街の人とかいうのがすぐにやって来てやめろと言い、するとすぐに警官がワラワラとやって来て取り囲んでやめさせるそうです。三条河原町でも1時間もしないうちに、商店街の人→警官ワラワラというパターンが出来上がっているそう。商店街の人が進んで管理社会に協力するんでしょうね。左翼のビラ捲き、余程うざいんでしょう……ま、それは分かる気もするが、ここは民主国家なので、政治的見解を表明する権利は金科玉条のように大事にすべき筈なんですが。
 ……こういうご時世、地域レヴェルで運動を具体化することにはとても意味があると思います。
 でもねー、運動の看板としては、「無防備地域」ってネーミング、良くないよなぁ。国際法上の用語だから仕方ないんだけど。でも、いかにも受け身でネガティヴ。無防備でいれば攻撃されない保証でもあるのか!って脊髄反射する人、絶対多い。いや、だからぬー、国際法で攻撃が禁止されてるの、って説明を聞いてもらわなきゃならない。それでもきっと、北朝鮮は批准してるのか、中国は、ロシアは、テロ攻撃はどうする、って畳みかけてくるでしょ。だからぬー、テロ攻撃はどっちみち防ぎようがないし、北朝鮮も中国もロシアも批准してて、批准してないのはアメリカ様なのね。

 わたしとしては、市民的防衛・社会的防衛の議論を深めていく上で、国際法的裏付けがあるということが分かって良かったです。
 おじさんおばさんしかいない運動だから、すぐに関わろうってモチベーションは上がりませんが(若くてカワイイ男の子が多い方がいいに決まってるでしょう!)、街角で署名集めてたら、立ち止まって署名するでしょうね。

ジュネーブ4条約および第1、第2追加議定書についてはダンナが調べたらしいのでそちらもご覧下さい。

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November 14, 2004

アマンドラ!希望の歌――非暴力シリーズ

 昨日のことになりますが、『アマンドラ!希望の歌』という映画を見てきました。南アフリカで、アパルトヘイトに対する闘いの中で「歌」が果たした役割にスポットを当てたドキュメンタリー。

 初っぱなからもう、心を揺さぶられるアフリカのリズム! 非人間的で残酷きわまる差別政策のもと、抑圧された人々は歌い続けた! アパルトヘイト政策の始まりの時から、抵抗運動の盛り上がりの時、萎縮の時、再生の時、若者が立ち上がる時、そして武力闘争が始まる「戦時」状態にも、それぞれの歌と踊りがあった。

 『歌』はイデオロギーを押しつけることがない。人々は気に入らない歌詞を次々に替え歌にしながら、哀しみを共有したり、希望を呼び覚ましたり、闘う意味に共感を呼んだり、勇気を鼓舞したり……そうやって歌が人々を結びつけていった。それはとてもエモーショナルで理屈を越えたものだけれど、とても深いところから来ている――アフリカの大地から。映画の中で、インタビューを受けた音楽家や歌手、活動家や兵士たちの何人かの口から、we are spiritual people.という意味の言葉が出ていた。歌はアフリカのspiritualityを表現するのだろう。

 南アの抵抗運動は必ずしも非暴力ではなかった。ANCには軍事部門が出来て、Freedom Fightersは文字通り軍事訓練を積んだ兵士たちだった。だが、映画の中でとても印象深かった言葉がある。「南アフリカの「革命」で、一番素晴らしかったのは……俺たちは革命のあとも白人を血祭りに上げなかったんだ」と、とても誇らしげに言っていた。この言葉は、武力を使用したかしないかという物質的次元ではなく、もっと精神的な次元で非暴力にさえ繋がるような希望を感じさせる。怒りと憎しみからではない、もっと違う源泉からの民衆の力があったからこそ「白人を血祭りに上げる」という悲劇を避け得たのでは……と感じさせられた。

 もう一つだけ、印象深かった言葉。Hardest thing of exile is dream.国外追放されて何よりも辛いのは、夢なんだ。
彼は、夢の中では故郷にいて、故郷の人々に囲まれている。でも目を覚ますと異国の地にいる現実。故郷にいつ帰れるか、希望はほとんど無い。喪失を再確認させられる辛さが、とても胸に響いた。「革命」後、彼は故郷に帰ったはずだ。

 映画の上映後、自らも南ア闘争に関わった峯陽一氏のお話があった。
 この映画では、普通選挙が初めて実施された1994年以降のことが、おそらくわざと、一切描かれていない。アパルトヘイト撤廃後の南アフリカは、肌の色による差別政策はなくなり、警察による弾圧もなく、おそらく最も先進的な憲法を持つ国に生まれ変わった。その一方で貧富の格差は人種によらず顕在化し、犯罪に走る貧困層が増えて治安はひどい状態になったという。アパルトヘイトという悲惨なくびきを外し、ようやく、普通の「途上国の悲惨」に向き合い始めた南アフリカ。そこに生きる人々がもう一度この映画を通じて闘争の時代を見つめ返すことは、特別な意味を持っているに違いない。
 そして……主催者側の上映意図がやや押しつけがましく感じられる場面もあったとはいえ、実際、ファルージャ攻撃のさなか、自衛隊を出している政府を持った私にとっても、思いを掻き立てられるものだった。
 何しろ人々の力で社会が大きく変化する瞬間というのは、もうどうしようもなく胸ときめくものなのだ。

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September 10, 2004

イタリア人NGO職員人質事件

 イラクでの人質事件は未だ頻発していて、もう大してニュースにすらなりませんが、NGOで働く女性が人質になってしまったそうです。

伊女性2人拉致 バグダッドの援助団体事務所に襲撃(アサヒコムより)

 バグダッド中心部にある人道援助団体「バグダッドへの架け橋」(本部・ローマ)の事務所が7日、武装グループに襲われ、イタリア人の女性職員2人とイラク人2人が拉致された。今年4月から始まった武装グループによる一連の人質事件は移動中に拉致されるケースがほとんどで、建物内部にいる外国人を特定して拉致する手口は、イラクで活動する援助関係者に衝撃を与えそうだ。
 ロイター通信などによると、拉致されたのは、イタリア人のシモーナ・パリさん(29)とシモーナ・トレッタさん(29)、同じ団体に勤めるイラク人男性、別の非政府組織に勤めるイラク人女性の計4人。
 ロイター通信やAFP通信によると、商業地区にある目立たない事務所の前で、カラシニコフ銃などで武装した約20人の男が車を止め、うち2人が押し入って4人を連行した。発砲はなかった。事務所に入った2人の男は武装していたがスーツ姿だったという。
 女性が人質になったのは、4月初めの日本人人質事件以来。これまでの外国人を対象とした人質事件は、8月に南部バスラのホテルで英国人記者が拉致されたケースを除き、紛争地域近辺で起きており、バグダッド中心部での発生は初めて。武装グループは、イタリア人女性らがどこにいるかあらかじめ知っていた様子で、周到に計画された犯行とみられる。
 「バグダッドへの架け橋」は湾岸戦争後の91年に設立。イタリアは約2700人の部隊をイラクに派遣している。これまで民間人5人が拉致され、うちフリーの記者を含む2人が殺害されている。 (09/08 12:05)

 わたくしもご多分に漏れずこのニュースは知りませんでした。バグダッドの真ん中でもさらわれちゃうとは……イラクの状況、ホントにヒドい。こんなイラクに誰がした。
 MLで彼女たちの釈放を求めるメールが流れてきましたので、こちらも一応貼っておきます。
バグダッドで拉致されたイタリア人・イラク人援助従事者の釈放を求める声明
―彼らは占領者の道具ではない―

私たちは、イラクにおける占領に反対し続けている世界中の個人および組織であり、2004年9月7日にイラクで拉致された2人のイタリア人と2人のイラク人の援助従事者の釈放を懇願します。

イタリア人のシモナ・パリとシモナ・トレッタ、およびイラク人のラアド・アリ・アブドゥル・アジズ、マハノアズ・バッサムは、1992年からイラクで活動しているイタリアの独立した人道組織、「Un Ponte Per Baghdad(バグダッドへの架け橋)」のメンバーです。経済制裁の間、他の人道組織がイラクで活動することを拒んでいた時期に、このイタリアの組織は、民間人の苦しみというのが政治的な交渉に使われてはいけないという信念のもと、活動を続けてきたのです。

この占領では、米国とその同盟国(軍)は人道と政治の境界線を曖昧にし、援助と人道支援をイラク人の沈静化のための道具として使ってきました。その結果、イラク人は日増しに、そして理解に難くないことですが、国際的な人道機関に疑いの目を向けるようになりました。このような混乱によって引き起こされた危険にも関わらず、「バグダッドへの架け橋」は、イラク人が彼らの活動の意図を汲み取ってくれるだろうとの信念のもと、イラクでの活動を続けることを決意したのです。

「バグダッドへの架け橋」は、占領をイラク人にとって我慢しうるもの、許容しうるものにするためのイタリア政府の道具でもなければ、米国主導の同盟軍の道具でもありません。そもそも最初から、「バグダッドへの架け橋」はそのスタンスにおいて明らかであり、一貫していました。この組織は、経済制裁に反対し、侵略に反対し、そして占領に反対してきたのです。イタリアにおいて「バグダッドへの架け橋」は、米国主導の同盟に加わるという政府の決定を批判してきました。また、彼らは百万人以上のイタリア人が戦争に反対して行進した2003年2月15日の行進、その後の多くの
平和デモなどの全国的な運動を率いてきたリーダーでもあります。「バグダッドへの架け橋」は、その世界的な反戦運動において活躍し、世界中の反戦組織とのネットワークを築きながら、バグダッドの「占領ウォッチセンター(Occupation Watch Center)」の設立に中心的な役割を果たしてきました。このセンターは、占領を監視するために様々な国の反戦組織・ネットワークによって作られたものです。

シモナ・トレッタは、彼女の人生の3分の1をイラクで過ごしてきました。シモナ・パリは2003年にトレッタに合流したのです。「バグダッドへの架け橋」の現場代表として、シモナ・トレッタは破壊され機能していなかったイラクの水インフラや学校の建物を再建するプロジェクトを監督していました。シモナ・パリは、他の多くのことに加え、イラクのトラウマを持った子どもたちのための教育プログラムを組織していました。ラアッドはイラクの技術者で、この組織のバグダッドとバスラの学校事業に責任を持っていました。マハノアズは社会福祉事業に関わっていました。これらの活動のほかに、「バグダッドへの架け橋」はイラク現地の組織が占領軍による人権侵害の事例を記録できるよう助けていました。今年の4月には、「架け橋」は攻撃下にあったファルージャの民間人に食糧、水、血液、医薬品などを送る人道コンボイを組織し、支援を行いました。先月、米国軍とイラク暫定政府の軍がナジャフを攻撃している間も、「架け橋」はそこにいて、砲火に挟まれたイラク人を救うための救援活動をしていました。

二人のシモナとラエッド、マハノアズはイラクの人々の敵ではありません。彼らは、占領が今すぐ終るよう、イラクの人びとと肩を並べて求めているのです。彼らを拘束している人々に対し、我々は迅速な釈放を求めます。

また、私たちは、イタリア政府に対し、米国主導の同盟から脱退するよう要求します。
私たちは、米国とその同盟国に、占領を終えるよう求めるものです。

2004年9月8日 午後3時(GMT)
【組織】
Iraq International Occupation Watch Center

Alianza Social Continental (Latin America)
Campaign Genoa 2001 (Greece)
Continental Campaign Against FTAA (Latin America)
Code Pink (United States)
Global Exchange (United States)
Globalize Resistance (United Kingdom)
Focus on the Global South (Philippines, Thailand, and India)
International Civilian Campaign for the Protection of Palestinians(France)
Palestinian Workers Union
Stop the War Coalition - Greece
Stop the War Coalition - UK

翻訳以上

(To sign this appeal, please send an e-mail with your name, organization,
country, contact details, to free-our-friends@focusweb.org. Please indicate
if you wish to sign as an organization or as an individual. Contact:Herbert Docena +96 1 316 4370)


 イラクのために働いてきた人たちがこういう目に遭うっていうのは、本当にいたたまれないなぁ。でも、非常に皮肉な言い方になりますが、拉致されて殺されるなら、NGO関係者の方がいい。なぜなら、「憎しみの連鎖」が起こらないだろうと、かなりの信頼度で期待できるから。残された友人や肉親がイラクへの憎しみを抱くよりは、ことの始まりを視野に入れることができるだろうと、期待できるから。とても非道い言い草だとは思いますが。
 戦争って、始めてしまうと、終わらせるのが本っ当に難しいんだな。

 彼女たちが無事解放されることで、国と国のレヴェルで起きた戦争も、人と人との架け橋を壊すことができないのだという確信を、もう一度私たちに信じさせて欲しいと、心から願います。

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