日常: 雑文

October 19, 2011

動物たちの夢と、言葉が降りてくること

 カバやゾウや、いろんな動物が商店街を抜け坂道を登っていく夢を見た。
 人も動物も、てんでに何かから避難していく。
 悲しくもなく、恐怖もなく、淡々と、少し切ないだけ。避難が間に合うかどうか(未来)を気にかけていないから、ここまで来れた、良かったなぁと、歩み続けるだけ。

 夢の中のゾウはお尻の左側がえぐれていた。飼育員らしきおじさんが、明日までは生きられないと言った。
 それでも、ここまで来れて良かったなぁと私は思った。
 坂道を登り切っても、見える風景がサバンナでないことに思い至ったのは目が覚めてから。

 でもそれは人の思うべきこと。ゾウは気にすまい。

 動物たちは「今」だけを生きてるのかな、動物たちの時間ってそんな風かな、と思わされた夢。
 今を生きる、生ききるって、そんな感じかな、と。

 「若くして死んだから彼は不幸だった、とは言うなかれ」と、白血病で逝った友人も書き残していた。
 彼も病を生ききった。
 動物たちと違って、人間には運命との和解が必要だけど、辿り着くところはそう違わないのかも知れない。


 白血病を得た友人が、確か2度目の骨髄移植手術を受けると知らせを受けたとき。
 「彼のために祈って下さい」との、知らせてくれた後輩の言葉に対し、私は「もちろん」と答えて電話を切った。

 だが、祈る言葉が見つからなかった。

 「彼の病気を治して下さい」では違うし、「御旨のなりますように」でも冷たすぎる。
 短気な私は、「じゃあどう祈ればいいんですか!」と神に怒った。

 すぐに言葉が降りてきた。

 「彼が為すべきことを為し、一番大切なたった一つを得ることが出来ますように」

 聖書のマリアとマルタの話は知っていたけれど、one thing needfulという言い回しは、その時私はまだ知らなかった。

 そんな風に言葉は降りる。
 今ここで、剥き出しで生きるときには。

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July 03, 2010

祗園囃子

 7月にはいると、祇園祭ですね。
 四条に買い物に出ると、コンチキチン……長刀鉾でお囃子の練習をしているのが聞こえてきます。
 我が町内の保昌山は、今年は山十三番です。
 ワールドカップと相まって、なんだかドキドキソワソワな季節です。

 それにしてもひどい湿気です。じっとしてると肩先から黴びてくるんじゃないかと心配になってきます……だって動くと暑いんだもん。これが京都の夏、日本の夏。

 ダンナの欧州出張のお土産でエシレバターがガッツリ入手できたので、ちびくろ○ンボみたいなパンケーキでも焼こうかなとか、野望はいろいろ広がります。バターは冷凍できるからね、次の出張まで余裕かな。
 とりあえず今夜は、いつもパリの空港CDGで買ってきてもらうチーズセットで、ミニピザを焼いてW杯観戦に備えます。

 そんなこんなで、もうすぐアルゼンチンvsドイツ、キックオフです!
 W杯ではいつものことだと思うんですが、人種差別に反対する宣言を、試合前に両チームのキャプテンが読み上げます。
 南アフリカの地で読み上げられる言葉、ちょっと感動的です。
 といってるうちにドイツ先制!!

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January 25, 2009

殿下! お久しゅうございます!

 殿下といってもパタリロのことではなく、私の翡翠殿下--カワセミのこと。

 寒くなって犬が鴨川まで散歩に付き合ってくれない日が続いていたんだけど、今日は久々に河原まで足を伸ばしました。
 すると!! あの懐かしい、色鮮やかな、カワセミの姿が川面を渡って行くじゃありませんか。

 山科にいた頃に何度か、そして洛中に越してきてからも一時期、翡翠殿下のお姿を見かけていました。2003年12月以来の再会です。

 長らく目にしていないと、あんなに美しい生き物はやはり幻だったのじゃないかと思っていました。冬には油照りの夏なんて二度と来ないんじゃないか、夏には底冷えのする京の冬なんて嘘なんじゃないかと思ってしまう短期記憶オンリーの私ですから、カワセミほどに非日常的な美しい生き物は、目の当たりにしているとき以外には現実とは信じられません。

 現代の日本で普通に生活していて出会える生き物の中では、おそらくトップレベルの色鮮やかな美しさ。
 あれほどに美しい生き物を見ると、否応なくテンションが上がります。
 同様の感激を与えてくれるのは、蛍の群くらいでしょうか。数匹の蛍では足りないかな。数百匹の蛍の群を見たときには、やはりテンション上がりました。

 多分自分が死を前にしたとき、「私の人生が素晴らしかったのではなく、この世界が素晴らしいのだ」という思いの中で思い出す情景の一つが、カワセミのいる川面なのだと思います。
 これほどの幸福を与えられるのに、私は少しも相応しくないというのに。

 カワセミがいて、蛍がいて、桜並木があって欅があり、となりでは犬が寝息を立てている。
 この人生はすでに過分の幸福を頂戴しているんだと、改めて感じさせられる冬の午後でした。

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January 15, 2009

環境家計簿

 オバマ就任前に、やっぱりやってくれたイスラエルが猛攻撃しているガザ地区の封鎖解除を求める署名をやってきたんですが、そこからリンクされていたクリック募金をポチポチやってるうち、『エコチャレ』というサイトになかなか便利そうな環境家計簿があるのを見かけたので、さっそく使ってみることにしました。

 会員登録を済ませたら環境家計簿の入力画面に、毎月の電気、ガス、水道、ガソリン使用量などを入力するだけ。簡単簡単。
 うちは石油ストーブもマイカーもありませんので、灯油・軽油・ガソリン代はゼロなんですが、それでも去年のCO2排出量は2704kgとのこと。完全に昼夜逆転生活なんでね、もう。
 もちろんこれは光熱費の分だけで、消費した商品が製造・使用・廃棄過程でどれだけCO2を出したかは分かりません。それにしても、3㌧近くの気体って、体積にしたらどんだけぇ…?

 毎月の環境家計簿を入力するとポイントがたまり、とりあえず2年分入力しただけでも125ポイントになりました。ポイントはエコグッズと交換できます。
 他にも、このサイトから楽天にログインしてお買い物してもポイントがたまります。
 なのでさっそく、かねてから狙っていたポルトガル製シランポスの圧力鍋を注文してしまったりして。ガス使用量の節約は、まぁ、気持ち程度ですが、うちはマクロビ料理が多いので、玄米や分づき米を焚いたり豆なんかを煮たりするのにきっと便利ですよね~。圧力レベルの表示部分が緑黄色赤のポルトガルカラーでとってもチャーミング。

 クリック募金のサイト『イーココロ!』も、会員登録すればクリックでポイントを溜めて、自分が選んだNGOに募金することが出来ます。

 署名TVには、ガザ封鎖解除の他にもさまざまなweb署名があって、どんなにひねた大人だって一つや二つは署名したくなるものが見つかると思いますから、指一本動かさないでいるための言い訳を考えてる暇があるくらいなら、ちょっと覗いてみて下さい。

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August 12, 2008

フレディー・マーキュリーって

フレディって、白塗りでハレーションの画像だと、ジョニー・デップと似てることを発見。

もう死んじゃった人なんだよねぇ。HIVがゲイの病気だった時代のこと。

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June 22, 2008

夏至の日に

夏至の日の沈む彼方を指さして その眼差しが地平を拓く
雨上がり夜の匂いを嗅ぐ犬は 腰高窓に鼻先伸ばす
出窓越し街を見下ろす犬の目に世界はなんと映っているか

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September 30, 2007

ついにマイクロ金融に出資!!

  NHKBS で再放送していた「社会起業家の挑戦」シリーズの1回目「途上国を救うネット融資」を、さっき見ました。
 取り上げられていたのは、KIVA(スワヒリ語でagreementの意味)という、ネットを通じて個人からの融資を募り、途上国のスモールビジネスに出資する仕組み。ノーベル賞を取ったグラミン銀行との違いは、融資がP2P、個人対個人であるということ。顔が見える絆という点ではフォスターペアレントの仕組みに近くて、しかも一方的な寄付じゃなく、対等な融資であるという点が特徴。一口25ドルから参加可能。
 利子は付かないですが、ちゃんと1年前後の融資期間を経て返済されます。返済率今のところ100%。ビジネスが上手くいかなかった案件ももちろんあるようですが、現地事務所(提携NGO)が別の賃仕事を紹介して、完済までフォローすることになっているそうです。
 ドル建てだから為替リスクはありますが、逆に円が強い時に集中して融資をしておけば、為替差益が出る可能性もあるってことですね。

 KIVAでは、PayPal決済と現地への送金手数料をゼロにする交渉に成功していて、私たちが融資したお金は全額、途上国の融資先に届きます。そのかわり、融資額の1割をKIVAの運営資金のために寄付してくれるようお願いされます(寄付は任意)。各地の提携NGOが、融資先の発掘、審査、アフターフォローまで責任を持つ仕組みになっているようです。持続可能なビジネスモデルとして成り立たせようというところが良いですね。

 で、私も早速一件、二口50ドルの融資をしてみました。
 相手はパラグアイのテレサさん。食料品店を営む既婚女性47歳。お店にフリーザーを入れて夏の商売の役に立てたいとの申し出です。「夏はもう終わっちゃうし……」と一瞬思ったんだけど、パラグアイは南半球ですね、夏はこれからですね、失礼。ということで、彼女に決めました。
 PayPalのアカウントは、海外通販をやった時に作ってたので、すんなりあっさり、クリッククリックで融資完了。PayPal日本語対応ページも出来たので、英語が苦手な方でも簡単にアカウントが作れます。
 最初の融資と同時にKIVAにもメンバー登録すると、私の融資状況等、ポートフォリオのページができあがります。このページに各案件の状況、融資相手の近況などが表示されます。

 NHKの番組でも紹介されていましたが、マイクロ金融の効果というのは、単にお金の問題に尽きるものではないんですよね。途上国の借り手は、まとまったお金を手にすることで商売を始めたり、すでにやっている商売を拡大したりして、お金を返すわけですが、滞りなく返済することが、そのまま彼ら/彼女らの自信になる。返済の証明書は、「私には信用がある」という証明になるんですよね。これは貧困の中で尊厳を取り戻す大きな力になる。その点で非暴力と同じく、人間が尊厳を取り戻すための重要なエンパワーメントになるんですね。
 そして貸し手である私たちは、貧困を生み出す世界経済の仕組みに立ち向かうことなんて出来ない、という無能力感から一歩踏み出して、小さな一つの成功体験を手に入れる。未来は、適切な仕組みと意志さえあれば、変わっていくかも知れないんだと希望を持てる。暴力的(に傾きがち)な世界経済の中に、非暴力的な領域を確保しようという意思表示であり、手軽に成功体験を手に入れられるプラットフォームとして、やはり重要なエンパワーメントになると思うのです。

 各方面で紹介されて急激に知名度が上がっているせいで、現在融資を待っている案件の数はそれほど多くありません。アフリカ方面は皆無で、多くがウクライナ、タジキスタン、アゼルバイジャン、パラグアイ、メキシコあたり。シングルマザーが子供を学校にやりたいので……というような涙袋満載の案件はすでに融資が満額集まっちゃったのでしょう。今募集しているのは、すでに市場にお店を持っている人など、商売が一応成り立っている人が多いみたい。
 お家を建てる費用が必要という女性--今は柱だけで、壁と床を張りたいとのこと、バイクタクシーの運転手をやっているダンナに、自分のバイクを買ってあげたいという奥さん、などなど……各案件の紹介を見てると楽しくて、ついついあれもこれもと融資したくなって来ちゃいます。気分は“小さな銀行家”。これはクセになりそう。

 この記事を書いている間にも、テレサさんへの融資が続々と集まってます。あと500ドル! 無事にフリーザー購入できると良いな。
 興味を持った方は、横にあるKIVAのバナーをクリック!

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August 07, 2007

ハンナの夏休み--或いは、8月に非暴力を思う

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Image041 8/3~5、犬たちを連れて河口湖に行って参りました。
 第一の目的は、富士山北口本宮浅間神社の薪能を見に行くこと。立派な杉の林に囲まれた神域の神楽殿は雰囲気が素晴らしくて、毎年の楽しみです。今回は「通い小町」と「天鼓」。梅若六郎さんの天鼓は、ラストに向けて北島マヤの一人芝居のように情景が広がっていく!!スペクタクルな舞いが見所です。

 犬OKのリゾートクラブに宿泊。ドッグランで犬を遊ばせたり、林の中の遊歩道をお散歩したり。
 写真は人気のない芝地。犬たちを放して遊ばせるのは気疲れするので、3匹のリードを結んでおきました。これなら万が一パニクっても遠くまで走っていってしまう心配はないでしょう。

 名付けて、「非暴力ワークショップ 3匹の犬編」。Image044

 非暴力トレーニングの本を3冊ほど読んだところなので、とても興味深く観察しました。3匹にとっても協調性を学ぶ良い機会になるはず……と、「協調性×」と通知表に書かれ続けた飼い主が言うのもなんですが。
 やはり最初のうちは、非暴力ワークショップというよりは、「ベクトルの合成」の図になってしまいましたが…。
 それでも、やがて時間がたつうちに、何となく群れの行動、群れの意志に集約していきましたから、ワークショップの目的は達成されたかな?Image0451
 犬の場合は力が強いものが群れのリーダーシップをとるのが基本ですが、その時々で気力に勝る者が進行方向を決めたり、進むのを拒否する意志が勝ったりと、それほど単純じゃないところが面白いですね。特に、当面の好奇心が満足した後は、体力の劣る者に合わせる様子さえ見せました。このくらいなら人間にも出来るはず。
 非暴力トレーニングの話は、いずれ改めて書くかも知れません。

 非暴力といえば、辺野古での米軍施設建設反対の運動は、キングやガンジーがやったような本当の意味での非暴力運動に育っていっているようです。代表者の平良夏芽牧師さんの次の言葉が、何よりも胸を打ちました。

 「もう一つ大切なことは、辺野古の闘いは「相手との関係性を大事にして来た」ということです。基地建設計画が白紙撤回されたとき、作業をしていた人たちと酒を飲めるような、そんな阻止行動を目指してきました。現実は厳しいもので、なかなかそのようにはいきませんが、目指していたのはそのような関係性です。」

 キングだったかガンジーだったか忘れましたが、敵対した相手方の地域ボスかなんかに、のちにガンジー風の革のサンダルをプレゼントしたなんてエピソードがあったと思います。仲間たちを何人も殺されて、それでも未来に向けて関係を結んでいこうという意志に、少しだけピリッとスパイスのきいたユーモアをこめたプレゼントだったと思います。
 アイルランドでの英軍の対IRA作戦もついに終了しました。あれほどの憎しみの応酬にも終わりがあり得る。
 ブッシュ的妄想に呑み込まれない足場を、もう一度見つめなくちゃと思う8月なのです。

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January 01, 2007

今年のお節

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

鼻風邪がずっと治らず体調悪いながらも、昨日は一日お節料理作りに励みました。
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 去年と大差ないメニューですが、黒豆と祝い鯛以外は自家製になりました。
 激しく写真写りが悪いですが、今年のメニューも鯛とお雑煮以外は動物性食品不使用。
 ・蕪の梅酢漬け
 ・大豆と芽ひじきのマスタード和え
 ・結びこんにゃくのピリ辛煮
 ・根菜の煮物胡麻味噌味
 ・里芋煮
 ・蓮根ボール
 ・マクロビ松風焼き
別皿に
 ・栗きんとん
 ・カボチャの伊達巻き
 ・黒豆
それと、博多雑煮です。
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 カボチャの伊達巻きは、蒸したカボチャと豆腐と大和芋とくず粉を混ぜて甘みを調節して、ホットプレートで焦げ目が付くように焼いて巻きまきしたもの。意外と美味しいです。きんとんは去年の方が上手に出来たかな。今年のヒットは蓮根ボールかな…。
 風邪気味で体力がなく、準備がちょっとしんどかったですが、元日の朝にお皿に並べると、満足感は非常に大きいです。

 年末年始は、ついに買ってしまったるろ剣豪華DVD-Boxと、天皇杯&高校サッカーと、冬の恒例ドストエフスキーで過ごす予定です。

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May 25, 2006

久々に大笑いさせてもらいました

と、いうわけで→
http://blog.livedoor.jp/kemui/nakamura.html

腹筋鍛えられるくらい笑いました。
これを見つけたのはmixiの夫婦別姓コミュ。
紹介者のコメントは、「結婚に悩まされている私たちにはいい息抜きかも」。
そーよねー。民法改正の話、進まないうちに若い子が保守化しちゃったもんねー。

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