ニュース

September 12, 2008

本当は怖い汚染米

 当初「事故米」として報道された時から、発ガン性のカビ毒がひどく気になっていました。

 昔読んだSFマンガで、自分を虐待した親を殺すために、ピーナッツのカビ毒を夕食に混ぜて食べさせるというエピソードがありました。(『セシリア・ドアーズ』江ノ本瞳、新書館、1995)

「彼らは……早くて二ヶ月で死亡する。どこにでもあるガンで死ぬんだ」

 それがアフラトキシンBでした。スパイものなんかでもある程度定番の小ネタだったかも知れません。

 事故米転売のニュースでピンと来たので、それが「あのピーナツのカビ」なのかどうかネットで調べだところ、まさに同じアフラトキシンだということが分かりました。そしてアフラトキシンには何種類もあることが分かり、事故米のカビ毒がアフラトキシンの中のどの種類なのか気になりました。
 すぐには情報が見つからず、少し経ってから、ようやく、もっとも毒性の強いアフラトキシンB1だと分かりました。自然界最強の発ガン性物質です。今もあまり積極的には報道されていません。

 東京都健康安全研究センターのサイトによると、15マイクロkgのアフラトキシンB1を含む資料で飼育したラットは、全て肝臓ガンになったそうです。マンガで書かれてた通りです。
 そして、アフラトキシンは、加熱調理によってもほとんど減少しません。

 メタミドホスに関しては、濃度が低ければ影響がないと分かります。もちろん有毒な化学物質を体内に取り込むこと自体嫌ですが、直接的な健康被害はないというのは理解できます。でも、アフラトキシンは……? どの程度の濃度で、食用に転用されたのか否か、正確な情報が早く欲しいところです。アフラトキシンに関する報道が微妙に少ないように感じるのは、気のせいなのかな。

 自分が肝臓ガンになるかどうかは、まぁ、それほど気にしませんが……でもハンナよりは長生きしなきゃいけないけど……どうにも情報の出方が気になる事件ではあります。
 たとえ汚染された食品を食べてガンになったとしても、裁判で「科学的因果関係」を証明することはほとんど不可能でしょうから、責任追及がほぼ不可能な種類の事件です。こういうの、本当に嫌いだなぁと思います。

 ダイオキシンの10倍という毒性をもつ「ピーナッツのカビ毒」。95年出版のマンガで読んだんだから、そのとき私はもう大人でしたが、「親を殺すための毒」というのは、特別な感情を呼び起こすエピソードでした。
 この毒は、十全な殺意を持って使うべきものであって、もうけたいがための漠然とした未必の殺意でなんか使用するべきものじゃない。本当に殺したい奴に毒を盛る時に使うものであるはず。賞味期限や原産地の改ざんなんかとは、本質的に違う種類の事件だと思います。

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January 26, 2005

フォッグ・オブ・ウォー

 今日は早起きして京都シネマへ。五百円引きの水曜日を待って、『フォッグ・オブ・ウォー(The Fog of War)』を見てきました。午前中からの一回だけ上映という、ミニシアターの中でもさらにマイナーな扱い。

 キューバ危機やベトナム戦争当時の国防長官だったロバート・マクナマラのインタビューをまとめたドキュメンタリー映画。85才になったマクナマラが回想する冷戦時代の国際政治の現場、って感じの企画で、彼の言葉の中から教訓を数え上げる体裁に仕上げている。
 確かにインタビューの内容は面白い。彼の人生は……20世紀のアメリカ人であるがゆえ当然のことながら……戦争と共にあり、キューバ危機以外では、常に「戦争を止められなかった」男なのだが(東京大空襲にも一役買っている!)、彼個人は自分の責任は認めない。たとえ国防長官であっても、「国民が選んだ大統領を補佐するのが」彼の仕事なのであって、戦争の責任は最終的には大統領にあると言い、枯れ葉剤の使用についても、それが違法だったなら絶対に許可などしなかった、としか言わない。第二次大戦中に従軍していたときに書いた、効率性を追求する分析報告書が東京大空襲の作戦立案に影響を及ぼしたかどうか聞かれても、言葉を濁す。彼の言葉は常に成功者の回顧録であり、強者の論理だ。国防長官時代を回顧して、「決して素直に質問に答えてはいけない。答えたい質問にだけ答えろ。これを実行した」と語るが、インタビューに対しても同じことを実行したということだ。その点で文学的価値は低い。

 他に興味深かったのは、キューバ危機の時に核戦争も辞さずという強硬論を曲げなかったルメイ将軍についてのコメント。ルメイ将軍は、いずれ核戦争は避けられないと思っており、だからこそ有利なうちに仕掛けるべきだ、と考えていたのだ、とマクナマラは語った。同種の論理で動いている人たちは、今現在も多いんだろうなと思わされる。いずれ地球環境の破滅は避けられないのだから、今のうちに稼げるだけ稼いでおくべきだ……とかネ。

 見ててずっと感じてたのは、これってジャーナリストみたいなおじさん人種が好きそうな、政治主導の歴史観にそった男の語り、男のストーリーだな……ってこと。政治こそ世界史の中心、これぞリアルな歴史の真実、みたいな無自覚さ。私はそんなふうに世界を見ないし、そんなふうに切り取られた世界なんか本物らしく見えない。
 映画の企画意図そのものは、現在のアメリカの覇権主義に対して警鐘を鳴らすものになっているのだろうから、ケチをつける気はさらさら無いけれど。

 映画のラスト、国防長官を辞任した(クビになった)あと、マクナマラが世界銀行で貧困問題やらに取り組んだ、という字幕が流れ、世銀で更なる悪行を重ねた……じゃないのかよ、と思い、ついついプッと吹き出して回りの注目を集めてしまいました。回りはシニアのご夫婦連れかシニアお一人が多かったです。

 帰りがけに大丸によって、靴の修理を何足か済ませ、地下でハゲ天の野菜天丼を買って家に戻りました。野菜天丼と言いつつエビ天が入ってた……。

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December 21, 2004

きょうび、ワカモノやるのも楽じゃないんだね

 ここんとこ、時々見て回っていたブロガーさんたちの「若者」を巡る発言がめっぽう面白い。

 「Quo vadis, domine ?」の「産業構造と教育について駄弁を弄してみた。」
 「戯言@デルピエ郎」の「若者  わかもの ワカモノ」「さすが宮台!!と生意気に言ってみる。それとウヨについての雑感。」
 「目に映る21世紀」の「これがホントの広告批評」

 若い人による若者論って、いいなぁ。
 公共性の徹底的欠落(=「一人一人主義」)がどんなふうに誘導されてきたのか、ヒントになる発言が多い。「世の中が悪い!」ってのは、若者にとってはNGワードなのね。それを言ったら負けって、物凄い勢いで刷り込まれてきたんでしょうかね。
 思うところは色々あるけど、もうちょっと見守っていたいので、今回は、紹介のみ。

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October 12, 2004

ネットから恋が生まれ、命が消える

 すっかりご無沙汰していました。
 間が開くと、だんだん余計に面倒くさくなるもんで。

「電車男」書籍で刊行
 ついに本になっちゃいましたねー、「電車男」
 ダンナのブログにもありますが、私が読んだのは5月頃らしいですね。やー、面白かったし、感動しましたよ。小説なんか、敵うわけないよね。あの臨場感。
 電車男の中の人(本人)、刊行を承諾したんですね。2ちゃんから本が出ると、結構やっかみや印税の問題からトラブルになることが多いみたいだけど、大丈夫なんでしょうかね、今回。名無しさんたちの書き込みの総体を本にして、印税を受け取るのが限られた人だということに、異論が出やすいのだと思うんですが。……その辺が名無し文化と現実の世界(経済)との摩擦面で、限界なのかな。オープンソースでみんながわやわやプログラムを改良していくフリーソフトやシェアウェアなんかでも、製品化の場面でトラブルことってあるのかな。

 も一つ、何となく引っかかった今日のニュース。

若い男女7人が車内で自殺、ネットで知り合う?
 最近ですよね、こういう自殺の仕方がニュースになり出したのって。実際、一緒に自殺する仲間を掲示板で募るっていう行動様式が生まれたのも最近なんだろうし。
 若い子たちがこうやってポロポロとこぼれ落ちてくように死んでしまう時代なんですね。
 一人で死ねないって、哀しいなぁ。一人じゃ死ぬ勇気が出ないというか、勢いが付かないとかって理由で仲間が欲しいのかもしれないけど、でも、死って、とっても独りなものだと思うんだけど。
 死ぬ時に誰かにそばにいて欲しいという気持ちは分からないでもないけど、それって自殺する時のことじゃないような。大体、そばにいて一緒に死ぬのが、知り合ったばかりの人たちだっていうの、どうなんだろう。重たくも深くもない、その場かぎりの温もりの軽さが、彼らにはまさに必要なんだろうけど……そういうのって、自分の中のいろんなことまで誤魔化してしまいそうだなぁ。
 ネットで知り合って、死ぬために集合してから意識を失うまでの短い間、彼らはどんな話をするのかなぁ。一応自己紹介とかするのかな。死にたい理由を互いに聞いたりするのかな。不幸自慢みたいになるのかな。自分が一番不幸だと思いこんでたのが、そうでもないって分かってきたり。練炭自殺の手順を、こうした方がいいとか、あーしようとか、相談するんだろうな。車の大きさに対して必要な練炭の数とか、ちゃんと計算したり。場所はどこがいいか、心当たりのある人が案内して、そこでいいかどうかみんなで話して決めるのかな。もうちょっと道から離れた方がいいとか、木の多い場所がいいとか、何度か場所を探して移動したり。誰かに遺書書いた?なんて話もするかもしれない。身辺整理はどんな感じでしました?とか。きっと結構たわいもない話で笑い合ったりもするだろうし、修学旅行みたいな楽しさがあるんだろうな。だんだん、名残惜しくなってくる気持ちもあるだろうと思う。それでもどっかで踏ん切りをつけて、車を止めて準備を始めちゃうんだ。祭りの終わりみたいな気分じゃないかな。残ってるのは、後片付けだけ。みんなと会えて本当に良かったとか言っちゃったり、今まで生きてきた中で、今日が一番楽しかったとか言ってみたり。席順はどうやって決めたんだろう。窓にガムテで目張りして、睡眠薬飲んで、練炭燃やして。最後に手を繋ぐ子たちもいたのかな。
 む~ん、想像してる内に、それも悪くないか、とか思い始めちゃったなぁ。
 一人で死ねないのに、それでも死にたいなんて、ひ弱で甘ったれで、なんて哀しいんだろうね。そういう時代なんだろうね。

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September 10, 2004

イタリア人NGO職員人質事件

 イラクでの人質事件は未だ頻発していて、もう大してニュースにすらなりませんが、NGOで働く女性が人質になってしまったそうです。

伊女性2人拉致 バグダッドの援助団体事務所に襲撃(アサヒコムより)

 バグダッド中心部にある人道援助団体「バグダッドへの架け橋」(本部・ローマ)の事務所が7日、武装グループに襲われ、イタリア人の女性職員2人とイラク人2人が拉致された。今年4月から始まった武装グループによる一連の人質事件は移動中に拉致されるケースがほとんどで、建物内部にいる外国人を特定して拉致する手口は、イラクで活動する援助関係者に衝撃を与えそうだ。
 ロイター通信などによると、拉致されたのは、イタリア人のシモーナ・パリさん(29)とシモーナ・トレッタさん(29)、同じ団体に勤めるイラク人男性、別の非政府組織に勤めるイラク人女性の計4人。
 ロイター通信やAFP通信によると、商業地区にある目立たない事務所の前で、カラシニコフ銃などで武装した約20人の男が車を止め、うち2人が押し入って4人を連行した。発砲はなかった。事務所に入った2人の男は武装していたがスーツ姿だったという。
 女性が人質になったのは、4月初めの日本人人質事件以来。これまでの外国人を対象とした人質事件は、8月に南部バスラのホテルで英国人記者が拉致されたケースを除き、紛争地域近辺で起きており、バグダッド中心部での発生は初めて。武装グループは、イタリア人女性らがどこにいるかあらかじめ知っていた様子で、周到に計画された犯行とみられる。
 「バグダッドへの架け橋」は湾岸戦争後の91年に設立。イタリアは約2700人の部隊をイラクに派遣している。これまで民間人5人が拉致され、うちフリーの記者を含む2人が殺害されている。 (09/08 12:05)

 わたくしもご多分に漏れずこのニュースは知りませんでした。バグダッドの真ん中でもさらわれちゃうとは……イラクの状況、ホントにヒドい。こんなイラクに誰がした。
 MLで彼女たちの釈放を求めるメールが流れてきましたので、こちらも一応貼っておきます。
バグダッドで拉致されたイタリア人・イラク人援助従事者の釈放を求める声明
―彼らは占領者の道具ではない―

私たちは、イラクにおける占領に反対し続けている世界中の個人および組織であり、2004年9月7日にイラクで拉致された2人のイタリア人と2人のイラク人の援助従事者の釈放を懇願します。

イタリア人のシモナ・パリとシモナ・トレッタ、およびイラク人のラアド・アリ・アブドゥル・アジズ、マハノアズ・バッサムは、1992年からイラクで活動しているイタリアの独立した人道組織、「Un Ponte Per Baghdad(バグダッドへの架け橋)」のメンバーです。経済制裁の間、他の人道組織がイラクで活動することを拒んでいた時期に、このイタリアの組織は、民間人の苦しみというのが政治的な交渉に使われてはいけないという信念のもと、活動を続けてきたのです。

この占領では、米国とその同盟国(軍)は人道と政治の境界線を曖昧にし、援助と人道支援をイラク人の沈静化のための道具として使ってきました。その結果、イラク人は日増しに、そして理解に難くないことですが、国際的な人道機関に疑いの目を向けるようになりました。このような混乱によって引き起こされた危険にも関わらず、「バグダッドへの架け橋」は、イラク人が彼らの活動の意図を汲み取ってくれるだろうとの信念のもと、イラクでの活動を続けることを決意したのです。

「バグダッドへの架け橋」は、占領をイラク人にとって我慢しうるもの、許容しうるものにするためのイタリア政府の道具でもなければ、米国主導の同盟軍の道具でもありません。そもそも最初から、「バグダッドへの架け橋」はそのスタンスにおいて明らかであり、一貫していました。この組織は、経済制裁に反対し、侵略に反対し、そして占領に反対してきたのです。イタリアにおいて「バグダッドへの架け橋」は、米国主導の同盟に加わるという政府の決定を批判してきました。また、彼らは百万人以上のイタリア人が戦争に反対して行進した2003年2月15日の行進、その後の多くの
平和デモなどの全国的な運動を率いてきたリーダーでもあります。「バグダッドへの架け橋」は、その世界的な反戦運動において活躍し、世界中の反戦組織とのネットワークを築きながら、バグダッドの「占領ウォッチセンター(Occupation Watch Center)」の設立に中心的な役割を果たしてきました。このセンターは、占領を監視するために様々な国の反戦組織・ネットワークによって作られたものです。

シモナ・トレッタは、彼女の人生の3分の1をイラクで過ごしてきました。シモナ・パリは2003年にトレッタに合流したのです。「バグダッドへの架け橋」の現場代表として、シモナ・トレッタは破壊され機能していなかったイラクの水インフラや学校の建物を再建するプロジェクトを監督していました。シモナ・パリは、他の多くのことに加え、イラクのトラウマを持った子どもたちのための教育プログラムを組織していました。ラアッドはイラクの技術者で、この組織のバグダッドとバスラの学校事業に責任を持っていました。マハノアズは社会福祉事業に関わっていました。これらの活動のほかに、「バグダッドへの架け橋」はイラク現地の組織が占領軍による人権侵害の事例を記録できるよう助けていました。今年の4月には、「架け橋」は攻撃下にあったファルージャの民間人に食糧、水、血液、医薬品などを送る人道コンボイを組織し、支援を行いました。先月、米国軍とイラク暫定政府の軍がナジャフを攻撃している間も、「架け橋」はそこにいて、砲火に挟まれたイラク人を救うための救援活動をしていました。

二人のシモナとラエッド、マハノアズはイラクの人々の敵ではありません。彼らは、占領が今すぐ終るよう、イラクの人びとと肩を並べて求めているのです。彼らを拘束している人々に対し、我々は迅速な釈放を求めます。

また、私たちは、イタリア政府に対し、米国主導の同盟から脱退するよう要求します。
私たちは、米国とその同盟国に、占領を終えるよう求めるものです。

2004年9月8日 午後3時(GMT)
【組織】
Iraq International Occupation Watch Center

Alianza Social Continental (Latin America)
Campaign Genoa 2001 (Greece)
Continental Campaign Against FTAA (Latin America)
Code Pink (United States)
Global Exchange (United States)
Globalize Resistance (United Kingdom)
Focus on the Global South (Philippines, Thailand, and India)
International Civilian Campaign for the Protection of Palestinians(France)
Palestinian Workers Union
Stop the War Coalition - Greece
Stop the War Coalition - UK

翻訳以上

(To sign this appeal, please send an e-mail with your name, organization,
country, contact details, to free-our-friends@focusweb.org. Please indicate
if you wish to sign as an organization or as an individual. Contact:Herbert Docena +96 1 316 4370)


 イラクのために働いてきた人たちがこういう目に遭うっていうのは、本当にいたたまれないなぁ。でも、非常に皮肉な言い方になりますが、拉致されて殺されるなら、NGO関係者の方がいい。なぜなら、「憎しみの連鎖」が起こらないだろうと、かなりの信頼度で期待できるから。残された友人や肉親がイラクへの憎しみを抱くよりは、ことの始まりを視野に入れることができるだろうと、期待できるから。とても非道い言い草だとは思いますが。
 戦争って、始めてしまうと、終わらせるのが本っ当に難しいんだな。

 彼女たちが無事解放されることで、国と国のレヴェルで起きた戦争も、人と人との架け橋を壊すことができないのだという確信を、もう一度私たちに信じさせて欲しいと、心から願います。

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July 16, 2004

ピースパレート逮捕者釈放

 祇園祭の宵々山で出歩いてて、帰ってきてネット繋いだらJ憲法&少年Aさんで知りました。7月4日のピースパレートで逮捕された3人が釈放されたそうです。
74(ななし)救援会より

7.4弾圧で不当に逮捕、勾留されていた3人全員が本日7月15日の夕方釈放されました。16日に予定していた勾留理由開示公判は中止となります。ご支援いただいたすべての皆さんにお礼申し上げます。

しつこいようですが、救援会の財政状況は弁護士費用など未払いのものがたくさんあってまだまだ赤字であり、本人の勾留中の生活への打撃もあります。何とぞ今後ともご支援・ご注目くださるようお願い申し上げます。

_/_/_/ 74救援会カンパあて先 _/_/_/
みずほ銀行 八重洲通支店 普通口座 1357196
口座名義:マツムラタツヤ
※事態の緊急性から現在個人口座による募金となっておりますことご了承ください。

 何はともあれ、ひと安心。送検はしたけど、起訴は無理と判断されたってことでしょうか。ビデオもあるし、これ以上騒ぎが大きくなると、警察側への批難が大きくなる……ってとこでしょうか。
 これからは、デモ以外のアピールの仕方、非暴力に則ったユニークな戦略を考えていかなきゃなりませんね。いろんなアイデア、これからも思いついたら順次アップしていくつもりです。

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July 14, 2004

ピースウォーク逮捕者 続報

朝日ですが、記事が出ましたね。

平和デモの過剰警備抗議で逮捕 「1人は暴行受けた」
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 51の市民団体でつくる平和運動ネットワーク「ワールド・ピース・ナウ(WPN)」の高田健・実行委員らが13日、衆院議員会館で記者会見し、「自衛隊の多国籍軍参加に反対するパレードで、過剰警備に抗議した3人が逮捕され、1人は機動隊から暴行を受けた」と発表した。デモ参加者が機動隊員にけられ、上半身裸で路上を引きずられる様子などを撮影したビデオも公開した。
 パレードは今月4日、東京・渋谷で実施され、1200人が参加した。警視庁と渋谷署は機動隊員ら約200人が出動して警戒にあたった。
 デモ参加者によると、行進の途中で機動隊員が盾で進路を規制したり、「早く進め」と押したりしたため、1人が「何をするんだ」と盾をけったところ、公務執行妨害容疑で現行犯逮捕された。機動隊員ともみ合いになったもう1人も同容疑で逮捕された。
 ビデオによると、盾を押しながら、過剰な警備だと抗議した平和団体職員(39)に、機動隊員数人が一斉に飛びかかって逮捕。数人でけったりした後、上着を引っ張って上半身を裸にし、手錠をかけたまま両足をつかんで路上を引きずる様子などが約5分間にわたり撮影されている。
 記者会見に同席した内田雅敏弁護士は「明らかな不当逮捕と暴行による全身打撲。診断書もあり、法的対応を検討している」と話した。
 〈渡辺剣三郎・渋谷署副署長の話〉 デモ規制という正当な職務を妨害したので、法令にのっとって逮捕したまでだ。 (07/14 00:46)
この動画、まだネットでも見れるようになってないのかな?
 WPNって51もの団体で作られてたんだ。知らなかった。どうりで方針出すにも時間がかかるわけですね。
 何にせよ、ビデオに撮っておいたのは上出来。今後は非暴力的な対応も徹底していただけると、私は嬉しいな。やっぱ盾を蹴るような隙を見せちゃ、思うつぼなわけで。警官の挑発に怒ったら負けだということ、どうすれば広められるのかなぁ。
 PBIとか非暴力平和隊あたりでちゃんと研修を受けた非暴力トレーナーだって、日本には何人もいるだろうけど……そういう人たちは忙しすぎるのかなぁ。

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July 12, 2004

選挙はギャンブルに似ている と トービン税

 投票はちゃんとしました。……でもなかなか感想を書く気にならなくて。
 自民の議席があまり減らなかったので、かな~りがっかり。民主は勢い得たなぁと。みどりの会議の中村敦夫さんが議席失うなんて~(泣)、支持層しっかりあると思ってたのにぃ!

 え~、話を進める前に一応ご説明申し上げると、京都は改選議席が2。候補者は自民、民主、共産の3人。で、京都は「共産党の牙城」と言われてきたそうで、事実、市民運動に若い子がいるなと思うと、半分はM青なんじゃないかという勢い。若い身空で何が哀しうて政党の下部組織なんぞに……大学で最初に親切にしてくれたのが壺売りや草加じゃなくM青だったのかねぇ。
 今回の選挙戦でも、中年・初老のおじちゃん、おばちゃんたちが「消費税引き上げ絶対反対、年金改悪法廃案!」とかのポスター広げてメガホン持ってスーパーの前で活動してたり、道歩きながらビラ配ってたりしました。

 だからね、共産が落ちるなんて思ってなかったわけ。いや、共産が落ちたってそれ自体は、それ見たことか人に通じる言葉で喋れ党事務所の推薦図書以外も読めよ、くらいなんだけど、共産が落ちると自民が通っちゃう!
 あのねー、そんなに弱体化してるなら、ちゃんとそう言っといてよ!暑いなか活動してたおじちゃん・おばちゃんも、自己満でしょぼいデモなんかしてる暇があるなら、天敵公明みたいに小学校からの同級生みんなに電話攻勢でもすりゃぁ良かったじゃない。私だって選挙区は入れてやれば良かったと、後悔しましたよ。国会で、どっから手に入れたの?って内部資料をネタに与党を追求する共産が、なくなっちゃ困るわけ。きっと余人には窺い知れない魅力から、共産党が共産党であるが故に、そういう内部資料を流してくれる内部協力者がいるんだろうから。
 完全に読みが外れました。選挙ってギャンブルみたい……と思いました。

 そんなこんなで凹んでた我が家を明るくしてくれたのは、ベルギーでトービン税法案が通ったというニュース。詳しくはダンナのブログにありますが、トービン税っていうのは、為替取引に低率で課税し、その税収を世界の貧困問題や環境問題解決の財源に充てると言うもの。通常時は0.01%という、為替変動リスクにも満たない低率で課税、急激な変動時には税率を上げて、通貨危機を防ぐ意味もある。現代では、実際の財やサービスを伴う国際貿易量の70倍もの為替取引があり、それは一日に何百回と為替取引を繰り返して、つまりマネーを転がすことで利益を得るということが行われているせい(為替レートの差を利用して、3カ所で売買を繰り返せば儲かるので)。実体経済に比べてマネー経済が肥大化するのは、経済の不安定要因になるし、金のあるところに金が集まるという傾向を極端に加速するものでもある。だからトービン税は、環境・貧困問題解決の財源確保と、世界経済の安定化に役立つ、一石二鳥の妙案として注目されているわけです。
 貧困問題、重債務国の問題に触れると、「借りた金は返すのが当たり前だ」と脊髄反射する人がわりと多いんだけど、日本のODAを見ても明らかな通り、貸し込む先進国のゼネコンやらに資金が環流する仕組みがあったり、国内経済を破壊して先進国からの輸入を増やすような「改革」とセットで貸してたりと、金貸しの方があくどいのが常なんですよね。途上国政府にも問題あることが多いのも事実だし。この辺のことは、ノーベル賞経済学者スティグリッツの『世界を不幸にしたグローバリズムの正体』なんかが分かりやすいと思います。
 なんにせよ、テロの温床を無くしていくためには、絶望的な貧富の格差を是正していく、より公正な仕組みを作らないと、泥沼にはまるばかり。トービン税が唯一の妙案ではないし、トービン税ですべて解決するほど単純な話じゃないけど、世界経済という巨大な歯車にひとつかみの砂を投げ込んで全体を軋ませる、希望を感じさせる話なのであります。
 地方がますます貧乏なのもボーナスがカットされるのも、歪んだグローバリズムと繋がってるんだからね。グローバル化の歪みを正さないと、貧乏人は黙って死ねという、小泉の言う通りの未来になっちゃうよ~。

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July 08, 2004

ピースウォーク3人逮捕がらみの

 7月4日のピースウォークの写真見つけました。
 → こんな雰囲気のデモでした。でも逮捕者3名! in大木晴子さんの明日も晴れ

 あと、参院選候補者たちのブログサイトele-logで、緑の会議の足立力也さんがワールドピースナウ不当逮捕に厳重に抗議する緊急声明。をエントリーしてます。(このele-log、かの有名な山拓センセが書いてるのを見て以来、どうしてもエロログと言ってしまう…。だってテレビで報道できないような変態スキャンダルだもんねー。でもエロ爺逝って良し!とかのコメントが付かないで、山宅センセーガンバッてぇーコメントが付くのが、なんか不思議だよなぁ。この国が終わってんのか職業右翼ががんばってんのか、謎だ。)

▼CLick for Anti War 最新メモより

 それにしても政府なり警察上層部なりは、こういう「事件」を引き起こすことで、「平和運動なんかやってると逮捕されるぞ。そんなものにかかわると人生棒にふるぞ」という脅迫的なメッセージを発したいのだろうなあ。しかし、そんなメッセージに説得力はない。

 たとえ警察に逮捕されることがあっても、人生は終わりになんかならない。アメリカ大統領にだってなれるんだということを、ブッシュ大統領が証明してくれているじゃないか。彼の場合は飲酒運転だったけど。

 たとえ婦女暴行事件で逮捕されることがあっても、人生は終わりになんかならない。日本の総理大臣にだってなれるんだということを、小(以下略)

上手いこと言うなぁ。

【追記】WPNの家宅捜索をうけて新たに「許すな!憲法改悪・市民連絡会」が声明を出したとJ憲法&少年Aさんで知る。
 でもさ、あたしんちを捜索されたとして、ひっくり返せばM青や厨◇の仮面団体主催のイベントのビラくらいは出てくるだろうなぁ。講演会とかで配ってるの受け取って、「おおッ、普通っぽいチラシ作ってんじゃーん」とか言って記念にとっといたりするから。そうすると「左ヨク団体(過激歯)の関連書類が多数押収された」とか言い出すんじゃないの?公安9課ならいいのに……

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July 06, 2004

3人逮捕に中間報告。でも、ハァ…

 ピースウォークで3人逮捕の件ですが、主催者であるワールドピースナウから、やっと中間報告が出たんですね。J憲法&少年Aさんで知りました。

 しかし……「なお、今3人のひとびとは事実関係については「黙秘」で闘っていますので、参加したみなさまが当日の具体的な様子など、ネットその他で流すのは控えてくださいますよう、お願いします。もし、裁判になるようでしたら、そのときは改めてご協力をお願いすることになると思います。」とのこと。
 えええっ、ネットで流しちゃダメって、どういうことよぉ!?
 そりゃ、今回は非暴力的対応の準備がなかったから、「揉み合い」「双方が激昂」という場面があったのでしょうが、わざわざ情報の流通を控えて下さいとお願いする理由って、あるかぁ? 神経質になり過ぎじゃないのかなぁ。
 「黙秘」はね、取り調べに慣れてない人、心理的にスゴく動揺させられてしまった人にとっては、次善策としてアリかもなぁとは思うのね。弁護士さんが、その方が有利だと判断したんでしょうからねぇ。でも、黙秘するとかえって拘留を長期化させる口実を与えちゃうんじゃないかなぁ。立川の自衛官官舎のポストにビラを投函しただけで逮捕された3人なんか、75日よ。

 でも、こういう対応すると、ヘンに勘ぐる輩が出てきちゃうのよねぇ。
 そりゃね、日本ではこれまで左翼がウザすぎて、イデオロギーがらみじゃない本当の市民運動って、なかなか育ってこなかったさ。でも、アフガン攻撃前からのピースムーヴメントには、左翼とは全然関係ない若い人たちがずいぶん参加するようになってきてたのも事実。ま、旧来型の「ハンターイ、フンサーイ」デモ行進に間違って参加しちゃった若い子達が、ウンザリして来なくなっちゃったってのも、ありふれた事実。
 私だってセクトがらみの団体には近づきたくないモンね。でも素人だから知らないことも多い。「あれ××派ですよ」と教えられて、ええーっ、あんなフツーっぽいカワイイ若い女の子もいて言ってることもソフトなのに?!と驚いたことあるし。彼女も豹変してソーカツしちゃうのかしらと、いらぬ妄想をふくらませたりもしましたが、そういう連中が来てるからと言って、ピースウォークがアブナイ運動ってことにはならないんだよね。「意見の違いを暴力で解決」したくない人たちが集まって、歩いて、アピールしようって活動なんだから。
 WPNには知り合いがいないから、実際のとこどんな感じの団体なのかわかんないし、逮捕された3人がどういう人たちなのかもぜんぜん知らないけど、ピースウォーク参加者みんながみんな、香ばしいサヨクに違いない!というのは、ネットウヨの単なる妄想だよ。
 情報流さないでくれなんて言わずに、もっと堂々としてりゃいいのに。と、単純な私は思ってしまうのでした。

【追記 7/17】 どうやら黙秘するのが当然らしい→ここで批判されちゃった♪ 一輪庵7/17のエントリーも。

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