ゆうべ見た夢 --天使の涙
こんな夢を見た。
天使が泣くと、零れ落ちた涙はサファイヤになるのですが、これを拾った男が宝石屋に売りに行きました。
けれどここは天使の街。天使の涙は珍しくもないありふれた品ですので、とても値段など付かないよと断られてしまいました。
見れば、宝石店とは名ばかり、どう見ても土産物屋といった風情で、店の前のワゴンには、各種とり揃えた天使の涙が山積みになっているのです。
表通りを大勢の天使たちが行き交い、天使の涙など売るほどもあるのです。
それでやっと男も、その拾った天使の涙を落とし主に返す気になりました。
落とし主はずっと男の後についてきて、返してくれと言を尽くして頼み続けていたのです。
やっと取り戻した天使の涙を陽にかざし、落とし主もまた涙を流しました。
ありふれた天使の涙でも、その人にとってはかけがえのない品でした。
それはあの天使が自分のために流してくれた涙で、スターサファイヤの真ん中には、天使の心が煌めいているのです。
天使は憐れんで、人ゆえに落涙するのでしょう。
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