ゆうべ見た夢 --天使の涙
こんな夢を見た。
天使が泣くと、零れ落ちた涙はサファイヤになるのですが、これを拾った男が宝石屋に売りに行きました。
けれどここは天使の街。天使の涙は珍しくもないありふれた品ですので、とても値段など付かないよと断られてしまいました。
見れば、宝石店とは名ばかり、どう見ても土産物屋といった風情で、店の前のワゴンには、各種とり揃えた天使の涙が山積みになっているのです。
表通りを大勢の天使たちが行き交い、天使の涙など売るほどもあるのです。
それでやっと男も、その拾った天使の涙を落とし主に返す気になりました。
落とし主はずっと男の後についてきて、返してくれと言を尽くして頼み続けていたのです。
やっと取り戻した天使の涙を陽にかざし、落とし主もまた涙を流しました。
ありふれた天使の涙でも、その人にとってはかけがえのない品でした。
それはあの天使が自分のために流してくれた涙で、スターサファイヤの真ん中には、天使の心が煌めいているのです。
天使は憐れんで、人ゆえに落涙するのでしょう。
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Comments
らら美さんの「文芸ナイフ」は、一時小説家を
目指した自分にとって、すごく参考になります。
やはり貴方はプロなんだなあと脱帽しました。
あと、貴方は人生のどん底にいるものでも
わけへだてなく接してくれますよね。
そのこころの広さはどこから来てるんです?
自分の想像ですが、貴方自身、プロの作家に
なるまで紆余曲折、あらゆる辛苦を経験した方
なんでしょう。じゃなかったら、世の中の底辺に
生きる者など相手にはしないでしょう。
そこに自分は、すごく惹かれるもを感じます。
もとプロの作家というプライドがあるからこそ
文章を書く指南ができるんでしょうが
そのプライドをかなぐり捨て、時にレベルの
明らかに違う相手とも平等に接する。
それは、人生のどん底を経験した者だからこそ
出来ることでは?女性は男性と違い、いくら苦労
を重ねても口にはしませんよね。それは女性特有の
性なんでしょう。いくら苦労しても女性として
そんなこと口には出来ないという思いから来てるの
でしょうね。
自分は何か、すごく貴方に引き付けられるものを
感じるのは誰に対しても平等だというところでは
ないかと思います。自分に関していうと、自分は
自分より頭が良くて自分以外の世界を持っている
女性にすごく惹かれます。貴方がそうだと思います。
これってひょっとして恋かな(笑)
貴方を初めて知ってから長い月日が流れましたが
時を経て再び貴方のことを知り、恋焦がれる気持ち
が倍増してしまいました。男とはなんと、単純な
生き物なんでしょうかね。
Posted by: 深夜のソリスト♪ | March 07, 2010 22:22
文芸ナイフも読んで頂けたんですね。ありがとうございます。
もうプロとしての仕事は何年もやっていませんが、今でも文章を書くのは、私にとって特別なことです。
ご想像に反して、私は何不自由なく育った苦労知らずなんですよ? ちょっと性格が屈折してるだけのお嬢さん育ちです。
ある人が人生や社会の底辺にいる、ということは、何らその人の価値をおとしめる要素ではありませんよね。底辺にいるかいないかは、その人が誰なのかという一番大切な問いとは、関係のないことですから。品性下劣な人間など、どこにだっている。
ソリストさんの仰るような、分け隔て無く平等に人と接することの出来る人間に、私も憧れます。私は下劣な人や傲慢な人には、平等に接する自信がないです。
恋心に関しては……夫のある身として、丁重にノーコメントとしておきましょう( ^ω^ )
Posted by: らら美 | March 08, 2010 14:59
お久しぶりです、らら美さん!深夜のソリストです。
あれからいろいろありまして、今は「さすらいの
チャリンコおじさん」でブログやってます。
よろしかったら遊びに来てくださいね。
今度は文章だけの貧乏ブログではなく画像も豊富です(笑)コメントよろしくお願いします~
Posted by: さすらいのチャリンコおじさん | March 05, 2011 16:46