殿下! お久しゅうございます!
殿下といってもパタリロのことではなく、私の翡翠殿下--カワセミのこと。
寒くなって犬が鴨川まで散歩に付き合ってくれない日が続いていたんだけど、今日は久々に河原まで足を伸ばしました。
すると!! あの懐かしい、色鮮やかな、カワセミの姿が川面を渡って行くじゃありませんか。
山科にいた頃に何度か、そして洛中に越してきてからも一時期、翡翠殿下のお姿を見かけていました。2003年12月以来の再会です。
長らく目にしていないと、あんなに美しい生き物はやはり幻だったのじゃないかと思っていました。冬には油照りの夏なんて二度と来ないんじゃないか、夏には底冷えのする京の冬なんて嘘なんじゃないかと思ってしまう短期記憶オンリーの私ですから、カワセミほどに非日常的な美しい生き物は、目の当たりにしているとき以外には現実とは信じられません。
現代の日本で普通に生活していて出会える生き物の中では、おそらくトップレベルの色鮮やかな美しさ。
あれほどに美しい生き物を見ると、否応なくテンションが上がります。
同様の感激を与えてくれるのは、蛍の群くらいでしょうか。数匹の蛍では足りないかな。数百匹の蛍の群を見たときには、やはりテンション上がりました。
多分自分が死を前にしたとき、「私の人生が素晴らしかったのではなく、この世界が素晴らしいのだ」という思いの中で思い出す情景の一つが、カワセミのいる川面なのだと思います。
これほどの幸福を与えられるのに、私は少しも相応しくないというのに。
カワセミがいて、蛍がいて、桜並木があって欅があり、となりでは犬が寝息を立てている。
この人生はすでに過分の幸福を頂戴しているんだと、改めて感じさせられる冬の午後でした。
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