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April 2006

April 18, 2006

E.Gorey『不幸な子供』『うろんな客』

久しぶりに絵本を買ってみました。
エドワード・ゴーリーという人の大人向き絵本。オカルト系掲示板の不気味な絵スレッドに名前が出てて興味をひかれ、ジュンク堂で見つけました。

『不幸な子供』は、お金持ちの家に生まれた娘がどんどん不幸になって死んでしまうお話。軍人のお父さんはアフリカに出征して原住民の反乱で殺され、母親はそのせいでやつれて死に、弁護士に預けられた娘は寄宿学校に放り込まれ、そこでいじめられてとうとう我慢できずに脱走し、道ばたで倒れてる間に家族の写真が入ったロケットも盗まれ、ごろつきに売られ、地下室で造花作りの内職をさせられ、あげくにほとんど失明、やっとごろつきのもとから飛び出したとたん、実は生きていたお父さんが娘を捜して車を飛ばしていたところに飛び出して、車にひかれて死んでしまい、けれど車から降りてきたお父さんは、あまりに変わり果てている娘に気づかずにthe end。
救いがなさすぎて笑ってしまうという転倒した癒し系として受け取られているらしい。描き込まれたペン画は昏いながらも魅力的。
皮肉なエンディングには物語の法則も働いているのだが(父娘の“再会”)、父娘は互いに気づかぬまま物語は終わってしまう。そこがいかにも現代的なのか。現に人生は往々にしてこのようなものでありうる。自らの罪を理解するギリシァ悲劇の英雄とはかけ離れた、自らを理解せずにただ流されるだけの、ふがいない登場人物。
「六の宮の姫君」もそうなんだけど、こういう風に主体として生きられないふがいなさは、女や女の子の属性なのだが、『不幸な子供』では、実は父親も同様にふがいないものとして描かれている。

『うろんな客』は、ある日家に入り込んできたフシギな生き物(直立アリクイみたいな愛嬌のある造形)と、結局はそれを受け入れて十何年も生活し続ける家族のシュールなお話。
「胡乱(うろん)」という言葉も死語に近いが、「うさんくさい」というような意味。
うろんな客はホールに駆けていって壁に鼻をくっつけたままじっとしたり、日曜日ごとにふさぎ込んで居間のドアの前で床に横たわり通行妨害をしたり、気に入らないことがあるとタオルをぜんぶ隠したり…と、行動原理が意味不明。
意味不明だけど家族が何となく受け入れて共存してるという状況は、いうまでもなくカフカのオドラデク(「父の気がかり」にでてくる正体不明の物体?生物?)を思い出させる。
ゴーリーのこの絵本は、子供や認知症の人の世話をしている人には、心に響くものがあるらしい。理解不能の相手に対して、ゆるく乾いた笑いで寛容になる方向。他方、カフカから私が感じるのは、寛容になること自体がさらに不気味であるような、癒しがたく不安な亀裂かな。

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April 17, 2006

平和省

MLで流れてきた「平和省」プロジェクトというののお知らせを下にコピペしておきます。東京までわざわざ行くほどフットワーク軽くないので今回は様子見ですが、近くだったら覗きに行きたいなぁ。

きくちゆみ系人脈が多いようですが、「今、なぜ平和省なのか?」という話をする予定の上村雄彦さんは千葉大の院で公共研究センターCOE研究員だそうです。私は不勉強で著書を読んだことはありませんが…上村雄彦セミナーのページをのぞく限り、先進国途上国ともに視野に入れた持続可能性、グローバル化の問題に取り組んでいる方のようです。

九条を維持するにせよ発展的に改正するにせよ、平和省の設立くらいドカンとブチ上げるのはイイカモ。国際的な注目が集まっちゃって、景気まで良くなりそうだなぁ。暴力的な仕組みを非暴力的な仕組みに置き換えていく可能性って、もっとまじめに追求してもバチは当たらないと思う。
興味のある方はブログ内のコチラの記事もどうぞ→非暴力で安全保障!その1その2

------- 〈以下コピペ〉 -------------
<平和省プロジェクト キック・オフコンサート>
    防衛省より平和省 
  戦争の準備より平和の創造

今、日本は岐路に立っています。有事関連法で戦時マニュアルが整えられ、憲法や教育基本法を変えようとする動きが勢いを増し、共謀罪法で言論の自由が危険にさらされようとしています。私たちが知らないうちに、まさに戦争への準備が進んでいるといえるでしょう。

一部では防衛庁を「防衛省」にという声が聞かれます。それに対し、私たちは、すべての政策に非暴力の原則を生かす「平和省」を提案します。

今、世界各国で市民が主体となって、戦争で解決する時代をもう終わりにしようと、平和省を創る運動が始まっています。今年6月18-22日にカナダのビクトリアで開かれる第2回国際平和省会議には、日本からも代表を送りましょう。

暴力や戦争に代わるやり方を提案し、平和憲法を実行に移すために、ここに「平和省プロジェクト」を立ち上げ、キッキオフコンサートを開催します。平和を願うすべての市民の参加を歓迎します。

日時:2006年4月29日(土) 午後6時15分開場、6時
半開演(9時終了予定)
場所:全国教育文化会館 エデュカス東京(千代田区二番町12-1 電話03-5210-3511)
アクセス: 有楽町線麹町駅6番出口徒歩2分、JR四ッ谷駅から徒歩7分(旧日本テレビ前〉
http://www.zenkyo.biz/map.html

入場料:前売り(予約)2000円、当日2500円
*予約はメールか電話で:
YSasaki1933jp@aol.com 080-1089-3856
地球緑化プロジェクト:  03-3551-2340
*チラシを配ってくださる方は、地球緑化プロジェクトへご一報ください。

プログラム:
今、なぜ平和省なのか?  上村雄彦  
デニスクシニッチの平和省構想と各国の平和省運動 冨田貴史(予定)
(アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、他)
各地からの報告(千葉県、愛知県、兵庫県、他)
国際平和省会議のための呼びかけ  佐々木良雄

コンサート:
<池邊幸惠ピアノソロ>
<きくちゆみフルートソロ>
<「命の旅」 ~新しい人類の姿~>
弾き語り   ZAKI (自給自足のミュージシャン)
パーカッション いいじま∞じゅん(音楽活動家/TOS代表)

ー他の平和・環境グループのPRタイムー

<ニューフロンティアーズ -1>瀬戸龍介 森田玄
<和水(かずみ)>憲法9条 こころの歌

主催 :平和省プロジェクトJUMP(準備会) 
協賛 :地球緑化プロジェクト
協力 :「平和への結集」をめざす市民の風 
http://uniting-peace.net/
*平和への結集では呼びかけ人・賛同人を募集中です!

*JUMP:Japan United for Ministry of Peace
===================
今、アメリカでも平和省法案が議会に!

平和省法案を米国議会に提出したデニス・クシニッチ下院議員(民主党/オハイオ州)は、この法案を提出する際に、言いました。

「議長、私たちは心の奥底で知っています。恐れが私たちを暴力に導くこと、暴力が戦争に導くこと、戦争がすべての破壊に導くことを。しかも私たちは恐れを欲していません、暴力も戦争も欲していません。平和が欲しいだけなのです。私たちは平和を欲するあまりそのためには何でもしようとさえ思っています。それで安心のために軍備に予算の半分も使っているのです。

こんな暴力による平和維持など続かないことも知っています。そのやりかたでは私たちの子どもたちに未来を与えることができないことも知っています。

ですから今日、「平和と非暴力」省の設立法案3760を提出して新しい出発にします。これは、絶望ではなく勇気と希望を選択するという数十人の議員たちの宣言です。私たちは新しいアメリカと新しい世界を創ろうと宣言するのです。」

さあ、平和憲法を持つ国にふさわしい平和省を日本にも創りましょう!
あなたの地域でも平和省プロジェクトを立ち上げてみませんか?

*このコンサートの収益は国際平和省会議、および平和省プロジェクト
のために使われます。

きくちゆみのブログ http://kikuchiyumi.blogspot.com
911ボーイングを探せ http://www.wa3w.com/911
テロリストは誰? http://www.wa3w.com
グローバル・ピース・キャンペーン http://globalpeace.jp
Harmonics Lifeセンター http://harmonicslife.net
Global Peace Campaign (English) http://english.globalpeace.jp
Yumi's English Blog http://yumikikuchi.blogspot.com

------- 〈コピペ終わり〉 -------------

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