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June 16, 2004

HELLO ―非依存的陰気パワー―

 ラルクでのアレンジが聞いてみたいような、ドライヴ感あふれる一曲。

 陰気パワーも開き直るとこのくらい力強い。決して陽性なエネルギーではないが、死神を引きずってでもグイグイ進んでいく感覚は爽快。
 「偽りだらけの地の果て」で「ようこそ」している彼は、もう最初から自分の置かれた状況を楽しんでいるフシがある。
 天は「じりじりと焼き尽くす」し、「ぎりぎりと死に神に抱」きつかれて、頼みの魂も「底をつ」いて「後が無い」ときた。
 砂漠にいるのか自分の不摂生の荒野にいるのか分かりませんが、彼は恵みの雨なんか望んでない。「つかみ取る輝きで息を吹き返そう」だなんて、追い詰められても挑戦的。
 二度と誰も信じないとか言っちゃってますが(won’t trust no one again)、この開き直り具合から見て、自分以外のモノに依存する気はない、ということでしょう。外側の何ものも、もう彼を傷つけることは出来ない。彼はしっかり「目覚めた」から。
 彼が欲しているのは遍く降り注ぐ恵みの雨ではなく、彼だけに約束された“君”という深い井戸(オアシス)。

砂漠が美しいのは、どこかに井戸をかくしているから
 というのは『星の王子様』ですが、hydeさんがやるとずいぶん陰気で投げ遣りな王子様になっちゃうでしょうね。

 ともあれ、彼は助けを求めてなんかいない。生還する義務と責任を、彼が一方的に負っているんです。「遠回り」したせいで“君”を待たせてることですし。
 彼を突き進ませている「願い」の強さは、「胸に刺さった声」が今も「響いてる」せい。刺さってるんだからそれは痛みなんだけども、大切な痛み。
 最後に彼が告げる「Hello」は、もちろん君へと辿り着いて最初に言う言葉なんでしょうけど、同時に、目覚めた自分と、ろくでもない地の果ての光景にさえも、挨拶を投げかけているかのよう。

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