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May 18, 2004

『悪魔の中世』

 『悪魔の中世』渋沢達彦 河出文庫2001年
 これはハードカバーで欲しかったかも。文庫では図版が小さいし印刷も悪くてよく分からん。
 中世をメインに、悪魔の図像学をさらりと網羅。恐怖を見たいという欲望は、普遍的に人が持っている、らしい。ペストが蔓延したヨーロッパでも、やはり人は恐怖の図像を見たいと欲するものなのかな?
 読みながら、現在の事をしきりに考えてしまった。恐怖を見たいという欲望は、ネット時代にはグロラボなどでいくらでも満足できる。でも、グロラボにあるのは芸術家の想像力によって生み出されたものではなく、現実の一断面なんだよねぇ。近代になって、聖なる場所や聖なる時間(祝祭)が世俗化されたことを指して「時間と空間の民主化」なんて皮肉な言い方をするけれど、実は地獄までが民主化されてしまったのかなぁと、しみじみ思う。地獄が死後にしかなく、悪魔が人間とは別のモノだった頃があったわけですよねぇ。そもそも悪魔は人の内側に入り込むものではあったわけですが、今ではすっかり、史上空前の規模で、社会の中に馴染んでしまわれたようです。

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