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May 09, 2004

最近読んだ本

とりあえず2冊だけ。

『インド夜想曲』タブッキ 白水Uブックス

 タブッキは読んだことがなかったのだけど、わりと好きかもしれない。最後にメタ小説っぽくなるのに、描写はあくまでも叙情的。
 特に好きなのは2章の病院のエピソードと、7章の停留所での占いの兄弟とのやりとりと、10章の元郵便配達夫のエピソード。
 逆に9章のホテル・スリアに関する描写は何のためにあるのか分からなかった。5章の追われている女との邂逅は、読んで面白いが、伏線「ではない」ために置かれたものなのか?
 また読み返したいなと思う小説。

『スペイン幻想小説傑作集』東谷 穎人 編  白水Uブックス

 フランス、ドイツと読んで今度はスペイン。怪奇を描いていても何となくユーモラス。
 フェルナンデス・フローレス「暗闇」は、文字通り光が失われた世界。火は燃え熱は出ても光が全く出ない世界に突然放り込まれ、火事が広がるなか真っ暗闇の町を逃げまどう群衆。冒頭の美しい微睡みの描写とラストの絶望感の対比がドラマチック。指輪物語が映画になるご時世、これこそある意味、映像化不可能。
 アナ・マリア・マトゥテ「島」。死んだ子供の物語。此岸と彼岸の境界は互いに含み合って曖昧。説明のできない名付けられない手触りを描いていて、くせになりそう。

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