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December 2003

December 31, 2003

大掃除

大掃除というのは、私らなんぞとは違って働き者の真人間の方々のなさることですが、ウチも今年は「窓磨きだけはしよう」と固く誓い合っておりました。
 入居してから1年9ヶ月、一度も磨いたことのなかった窓は、タバコのヤニで曇って、東山の山並みも月も星もどんよりとぼやけてしまっていました。
 「そろそろ何とかしなきゃ…」と思ってることは数々ありますが、窓磨きだけは今年中にと思い、昨夜、夕食後にダンナと二人で取りかかりました。

 石けん生活しておりますので、当然ながら窓拭き用洗剤など使いません。使うのは「炭酸水」。酒屋さんで売ってるやつです。ただし、糖分が入っていないものを。

 これが魔法みたいに汚れが落ちる。シュッシュとスプレーで窓に吹き付け、スポンジで軽く拭くとヤニで茶色く染まった水がツーーッと下に流れていきます。窓の下には新聞紙を敷くのを忘れずに。あとはゴムべらで水分を切っていけばOK。新聞紙をどかして汚れた水を拭き、ついでに窓枠もキレイキレイすれば終わり。二人でほんの3~40分で終了。
 食器棚のガラスなど、洗剤を使いたくない場所には特にお薦めです。

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シザーハンズ

今さらですが……夜中にテレビでやってた「シザーハンズ」を初めて見ました。主人公のゴシックパンクな外見からして好みのタイプなのは分かってたんですが、なかなか機会が無くて。思った以上に良かったです。

 1990年の作品ですので既に語り尽くされてるとは思いますが、老婆が孫娘に「雪はどこから来るの?」を語り始める外枠付きの構成も好きだし、良く出来た脚本。主人公エドワードを演じるジョニー・デップもイイですね~。眉毛もない白塗りメイクながら、最小限の表情の演技、存在感ともにすごいっ。初めて屋根裏に現れたときから、もう、可愛くて可愛くて仕方ない。エドワードは純真だけど、いわゆるイノセントな無垢なタイプではなくて、恋敵は憎いし意地悪されれば人を憎む、普通の子なんだよね。そこが監督の中ではダークな雰囲気とつながるのかなぁとも思ったり。
 時折はさまれるエドワードの回想の中での博士との城での生活が、寂しげながらもほのぼのテイストで面白い。全自動クッキー焼き機の各パーツがいちいち顔のあるロボットになってたり、どこか19世紀的。エドワード自身もともと野菜切りロボットで、だから手がはさみなのね。
 下界の町の人々、いろんな人の感想を見ると「都合のいいときだけチヤホヤして、何かあるとすぐ態度が豹変する」と評判悪いが、私は結構愛おしいなぁと感じた。人間なんてそんなもんだし、でもエドワードに優しかった時は本当なんだし。悪い人がいるから悲劇が起こるんじゃなく、いい人ばかりでも悲劇は起こるからね。
 むしろ、暇なおばちゃんたちがいち早く大らかにエドワードを受け入れたのに対して、ヒロインのキムを含め若い子たちは最初から拒絶的だという描き方が面白いなと思った。おばちゃんたちの旦那たちがエドワードを受け入れたのは、仕事場じゃなく家庭だから、妻に調子を合わせただけだろうなという気がする。

 ただ、この映画って実はものすごく後味が悪い話だと思う。
 ヒロインはエドワードに対する世間の誤解を解いてあげられる立場にいながら、最後まで何もせず彼を追い詰めてしまう。まぁ、夢のような美少女だから、それでもいいかぁ…という気がしてしまうのが映画のすごいとこ。
 お金のつまったカバンを拾ったらどうする?という問いに、エドワードが「愛する人達にあげる」と答えたとき、それは間違いだ、警察に届けるのが正しい、と家族が言う中、ヒロインだけが彼の答えを「素敵じゃない」と言った。ヒロインの良い所を強いてあげるとしたら、この場面くらいかな。
 で、後味の悪さはこのヒロインを含めてエドワード以外の登場人物の誰一人として、人として何かが変わる、ということが無いからなのだ。一貫してエドワードを庇護し愛情を注ぐヒロインの母ペグにしても、あるのは「自分の愛情深さ」だけ。彼女は何度も何度も、エドワードの顔の傷を、自分の商売道具である化粧品で隠そうとすることをやめない。傷だらけの顔もエドワード自身なのに。
 町の人たちも満たされない日常の中でエドワードに出会ったにもかかわらず、何一つ自分自身を変えることができない。先に書いたように人間なんてそんなもんだ、というところまでは嫌じゃないんだけど、何一つ変わらないままというのが、私には何とも後味が悪かった。ドラマとは変化だから、町の人々にとってはエドワードとの出会いはドラマにすらなっていなかった……というのが後味の悪さ。大らかな寛容さと同居する悪意すら不在の頑なな保守性が、残酷にエドワードを排除する様は、見ている方には後味の悪さと言うより切なさとして受け取られるところが、この映画のマジックかも知れない。切ない映画という後味に隠されがちだけど、この監督はかなり疎外の質がダークだと思った。
 ヒロインは一応、エドワードを嫌悪していたのが愛おしく感じるまでに変化するが、人として何かが変わったかとなると疑問だ。彼女は最後まで誤解を解こうともしない、彼を一人残して町に帰っていって二度と会いに行かない。
 ただ一人エドワードだけが、下界に降りて人々と出会って、ヒロインを愛することを知り、人を憎むことも知り、自分が誰かに愛される、ということを知って、変化する。彼はその後の長い年月を再び孤独の中で暮らすことになるが、自分がsomeone's belovedだと解ったから、町に下りる前とは違う生を生きていくことが出来る。ああっ切ないっ。

 あともう一つ気にくわないのは、エドワードがジムを殺してしまう点。
 ドラマづくりとしては、ジムを殺すのは(どうしても殺すなら)ヒロインでなければならないはず。 ヒロインの命を守るためにエドワードが殺ってしまうというのでも許容範囲ではあるけど……そこまで切迫した正当防衛には見えなかったからなぁ。悪い奴は殺しちゃってOK!に見えてしまうところが気に入らない。むしろ屋根が落ちてきたときついついジムを助けてしまうくらいの方が、エドワード萌え~なんだけど、この監督はそれはやらないだろうな。引き金ひく指だけをチョンギッちゃうというのもアリかも。

 と、いろいろ文句はあるものの、もう1回見たら冒頭の雪のシーンから号泣するんじゃないだろか……(;_;)DVD欲すぃ。

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December 16, 2003

世界ってすばらしい……!

その1
 山科川でお目にかかりすっかりファンになっていた翡翠殿下(仮名。カワセミ、性別不明)ですが、こちらに引っ越すとき、泣く泣くお別れを申し上げたのも2年近く前……。

 ところが今月に入り、鴨川へハンナの散歩に行ったとき……再会してしまったのです!
 思いもかけず、あの鮮やかな翡翠の背中が目に飛び込み、「まさか」と思いつつハンナを引っぱって川辺を駆けていくと、お久しぶりの殿下のお姿! そっと近寄ると飛び立ち、少し上流の川縁でまた休み、また飛び立ってはポチャンと川の中へ餌を採りに飛び込むお姿、その神々しさ。私は我を忘れて追っかけと化し、ずいぶん長いこと殿下のお姿を拝見していました。

 とうとう鴨川までおいでになったカワセミの殿下。もとの住処(山奥の清流の瀟洒な離宮のはず)を追われてきたのか、ご事情は下々からでは伺い知ることは出来ません。ユリカモメに追っかけられたり犬連れ女に追っかけられたりと災難でしたが、その後も懲りずに姿を見せてくださっています。

 ああ、こんな再会があるなら、世界って捨てたもんじゃない……と思った冬の午後でした。

その2
 ちょっと前の話なんですが……イヤ~な夢を見たんです。

 内容はどうってことない。
 行く先々で、些細なつまんないことから言い争いになったり、トラブルになって嫌な思いをしたりっていうのが、延々と何場面も続くというもの。
 見ないフリすれば何ごともなくすむことに一言口を出しちゃったせいだったり、それこそ肩がぶつかったときに思わず舌打ちしちゃったせいだったり、日常でも「ないとは言えないなぁ」と思うようなシチュエーションばかり。
 そこから言葉と感情の不毛なこすれ合いが起こるという、私の一番弱いとこ突いてくるパターン。とにかく後味の悪~い夢でした。

 目が覚めたとき、ホッとして、思ったんです。
 現実の世界は、夢の中ほど酷くない、って。
 夢で見たパターンのイヤ~な思いって、数年に一度しかない。延々と毎日続いたりしない。

 理由は簡単なこと。
 夢の中の世界の方がひどいのは、出くわす登場人物がことごとく私の中から出てきているから――結局は全部が私だから――堂々巡りで私は変われず、だから状況が好転するはずもなく、救いようがない。
 自我からの抜け出せなさは、軽い地獄だったんですね。

 でも現実の世界には他者がいる。その上、ありがたいことに私は一人しかいない。出会いがあって、変化があり得る。
 他人の皆さんありがと~!
 ああ、現実の世界って素晴らしい……って、心底思いました。

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December 10, 2003

30000hitsありがとうございます。

 このサイトを立ち上げたのは2001年の初め頃……1月?だったと思います。
 今でもだいたい1日で20~30前後のアクセスがありますので、個人の文字系サイトとしては、まあまあ安定した運営じゃないかと思っております……更新が少ないわりに。

 アクセスが多いのは、やはり〈文芸ナイフ〉ですね。ラルクトライガン剣心もコンスタントに検索などで見に来る方がいらっしゃいます。
 創作では「銅貨一枚分の物語」がアクセス・トップで、1ページ目が約3000ヒット(内何人が最後まで読んでいただけたかわかんないけど)。つづいて「非時の花」「ヘドロの女王…」「黄昏は猫族の時間」という感じです(1400から800強程度のアクセスがありました)。
 連載した「楽園の灰」シリーズは各ページにアクセス解析をつけたのですが、一番最近の「Velvet Gold~天鵞絨黄金」では、一回目が600弱、以下減っていって一番アクセスが少ないのは、最終回ではなく9回目なのですが、それも先日100アクセスを越えました。

 今後もボチボチと続けていくつもりですので、よろしくお願いします。

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