佐々木淳子さんの新作が読みたい! SFマンガの奇才・佐々木淳子
『ダークグリーン』 メディアファクトリー文庫より全3巻(1983~87小学館)
『青い竜の谷』 全6巻 角川あすかコミックス(1990~92)ほか。
今どきSFが流行らないのも、「子供たちの理科系離れ」も、算数が難しいせいじゃないと思うのね。
ウルトラマンだって「地球のため」に戦うか、「人間のため」に闘うか、悩む時代なんだもの、「科学が拓く明るい未来」なんかにワクワクしてられない、ってだけじゃなかろか。環境浄化学科をたくさん新設すれば、すぐに理科系人気は回復すると思うんだけどな>文部科学省さん。
そんなわけで、もうずいぶん前から、SFはエコな課題に何らかの応答を求められてきたと思うの。(展開が無理矢理? いいのよ、理屈じゃないもん。時代の気分の話だもん)
今の時代、SFはエコであらざるを得ない、のだ。たぶん。
「欲望は人間の業だ」で片付ける偽悪趣味も、「環境破壊は農業開始以来の一続きの不可避な流れだ」て済まそうとする転倒した楽観主義も、私はうんざりしてますケド。
エコな課題に取り組んで、しかもSFのドキドキワクワクを見せてくれたSF作家で忘れられないのが、佐々木淳子さん。
何だよ、マンガじゃんか、などと言うなかれ。趣味嗜好の問題はあるでしょうけど、佐々木淳子さんは日本SF界屈指の才能だと思いますよ。
英語で小説にしてれば、とっくにヒューゴー/ネビュラ賞とってたんじゃないかと……いや、マジで。
世界中の人間が同じ夢を見た……というところから始まる『ダークグリーン』は、地球と人類の運命を巡る大冒険に発展する、意識下世界の思弁的ファンタジー。滅亡のヴィジョンの鮮やかな提示は、今読み返しても、良く出来てるなーと思う。
『青い竜の谷』は、白亜紀と現代を舞台にダイナミックに展開するタイム・ジャンプ&恐竜モノ(M.クライトンより前だよ~ん)。現代の汚染された大気と海水を、白亜紀のきれいなヤツと取り替えてしまおう、ってゆう、チョー時代を超えた植民地主義が描かれてたりして、本質的に鋭い作者だなーと思います。
旧作の文庫化は進んでるみたいなんですが(メディア・ファクトリー)、佐々木淳子さんの新作長編には、もうずーっとお目にかかってないです。
近頃はうさぎマンガを描いてらっしゃるという……いや、うさぎも可愛いんだけど。
でもね、彼女ほどの才能にSF描かせないなんて……日本のSF業界は何やっとんじゃ(怒ッ)
なので、皆さん、佐々木淳子さんの新作SFが読みたいよー、という署名に協力しましょう。
→こちら
詳しいデータもある佐々木淳子ファン・サイト(非公認)R-DREAMINGは、ここからどうぞ。
も一つおまけに応援サイトもどぞ。
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