一輪庵

　五日までの予定で、東京の実家に来ています。

　で、実家の母は別に石けん派ではないので、普通の化粧石けんやら普通のシャンプー・リンスやらしかありません。
　今回、石けんを持参しようと思ってたんだけど忘れてきて、「しまった～」という感じでした。

　ゆうべは久々に普通の化粧石けんで体を洗い、髪の毛は、冬だしまいっかと思ってシャンプーを使わずにお湯すすぎのみで済ませました。
　以前だったら濡らした髪の毛にリンスもつけずに乾かすなんて、指通りの悪さが気になって絶対できなかったと思う。でももう慣れた。エッヘン

　今日は一大決心をして渋谷の人混みに潜入、銀行に行ったついでに東急ハンズで純石けん入手に挑みました。
　どこまで行っても四条河原町くらいの人混みが続く……東京って人が多いんだねぃ。
　しかも、あんまり久しぶりだったから目的地の東急ハンズに行く道がわかんなくなって、遠回りしちゃったよ。すっかり田舎者です。ハイ
　んで、ハンズでは、石けんサイトで評判の良いオリプレのオリーブ石けんを仕入れてきました。
　顔と体はもちろん、今夜は初めて固形石けんで洗髪してみました。
　石けんを濡れた髪の毛にそのままグリグリすると、泡立ちはなめらか。液体の石けんシャンプーに遜色はありません。洗い上がりは、かなりしっとりした感じ。
　ワインビネガーを洗面器のお湯に垂らしてリンスして、いっちょ上がり。簡単カンタン。このシンプルさがいとおしいな。

　抜け毛が減るとか髪にハリとコシが出るとか天使の輪が復活するとか、いろいろご利益が囁かれる石けんシャンプー。特にハゲ止まりを望む男性諸氏、トライしてみる価値は大ありかもよ。

★石けん関連サイト紹介
　uki☆uki☆せっけんライフ
　タイトルに似合わず内容は硬派なサイト。
　冷静で合理的な分析や、実験の結果など根拠を明らかにしつつ、石けんライフに役立つ情報を提供してくれます。
　こういう〈科学的姿勢〉なら、好きなんだけどねー。

　家庭に持ち込まれる有害廃棄物について
　マサチューセッツ水資源局がつくった分かり易いガイドの翻訳。
　クリーナー、塗料、カー用品、殺虫剤その他に、どんな有害物質が含まれ、どんな影響が懸念されるかがまとめられているだけじゃなく、それらの処分方法と、より安全な代替品の使い方が紹介されていて便利。

★石けんライフ継続中
　わたくしも粉石けんを買ってきてお洗濯してみました。
　粉石けんはお湯じゃないと溶けにくいけど、どうせ冬は合成洗剤のときもお湯を足してたし、さほど面倒ではないかな。
　何しろ合成洗剤のあのヌルヌル感が気になり出すと、気持ち悪くて合成洗剤には戻れない気がする。

　歯磨き粉もやめてしまいました。
　私は虫歯になりにくい体質なので、普段は何もつけないで歯ブラシだけ。
　サッパリしたいときは粗塩をつければいい（ほんの一つまみの重曹を加えてもいいらしい）。

　肌の調子は、まあ順調な感じ。やや毛穴が引き締まってきた気がするくらい。

　私の場合、健康マニアどころか、どっちかと言うとかなり不健康でＯＫ、もともと生活は不規則だし、煙草もやめらんないしぃ～、って感じだから、石けん石けんと騒いでても、実は添加物などの発ガン性を気にすることは、あまりないんですよね。
　チェルノブイリのあとだって、いくら放射能が恐いったって、ヨーロッパ産のワインもチーズもパスタも、おいしけりゃ食べるわよと思ってたし（子供を産む気がないというのが大きいかも知れないけどね）。

　それでも、洗顔料や基礎化粧品は、害があるかも知れないと分かれば、やめてしまうのは惜しくない。私にとっては、タバコやおいしいものと違って、無くてもいいモノだから。
　そもそも、余計なお世話で化学物質を押しつけられるのは面白くない。
　市場経済の主流から外れていくのも快感。
　自分がCMの対象じゃなくなるのも、ヤッタ、って感じ。シャンプーや洗剤のCMを見ると、「アタシも騙されてたのねー」と可笑しくなる。
　いらないものは、いらないのよね。

　マスメディアではまるで見かけない石けん製品ですが、ネット上には、石けん愛用者向けの通販がかなり沢山あります。
　これって一種のすき間産業？

　コスメ・フリークがそのまま石けんフリークに移行したような人たちも、いっぱいいるみたい。石けん系サイトのBBSでは、情報交換がとっても盛んです（私はそこまでマニアックにはなれないけど…）。

　通販はね、たしかに便利だから利用するけど、輸送にかかる環境コストを考えると、日常の品物はなるべく地元で調達するのが基本だと思います。

★石けんライフ　始めました
　え～、最近、シャンプーを石けんに変えてみました。
　山科川にカワセミが住み着いて以来、どうも合成界面活性剤を下水に流すのが気になっていたのです。
　ま、うちの下水がそのままカワセミの住処に流れてるわけじゃないだろうけども、川が泡立ってるの見ると、良心が仮借しちゃうのね。確信犯で開き直るほど中性洗剤を愛してもいないし。

★浴用石けん
　で、まず手始めに浴用石けんを純石けんに変えました。
　液体タイプのボディソープは使ってなかったので、普通の固形の化粧石けんから純石けんに変えただけ。これは抵抗ありません。香料の匂いがなくなっただけ。（普通の化粧石けんは、合成界面活性剤を使った合成洗剤です）
　もともと、冬の間は肌が乾燥するので石けんで体を洗うのは週に２、３回にしてました。それ以外の日は、シャンプーやリンスがかかってぬるぬるする背中や肩のあたりとか気になるところだけ、手で石けんを泡立てて、タオルは使わずに洗ってました。
　純石けんに変えて、お肌の調子はまずまず。そーいえば背中のかゆいのがなくなったかな?という程度です。

★オイルポットを石けんで洗う
　で、その頃たまたま、オイルポットを洗おうと思い立ったのです。天ぷらの残り油とかを入れとくヤツね。結構べた付いていました。

　それをヤシの実洗剤で洗ったんだけど、べた付きはなかなかとれません。
　手までベタベタになってきて、不快この上なし。
　かなり力を入れてゴシゴシやりましたが、もうこのくらいでいいや、と投げだそうとしたときに、ふと思いついて、浴用石けんで洗ってみることにしました。

　そしたら、魔法みたいにスッキリ油分がとれるんですよ。
　曇りもとれて、ツルツルになるの。油でベタベタになってた手も、スッキリ気持ちいいことこの上なしっ。
　洗い物が楽しいと思ったのは生まれて初めてでしたよ。

　きれいになった達成感と共に、「このアタシが洗剤会社に騙されてたなんてーっっ」と、激しく悔しさがこみ上げてきました。
　洗浄力は、合成界面活性剤の洗剤より、純石けんの方が上まわってる。
　騙されたと思ってオイルポットを洗ってみてください。きゅっきゅっと鳴るくらいスッキリ洗い上がります。

　ちなみにヤシの実洗剤は、イメージだけエコっぽい合成洗剤です。
　しかも原料のアブラヤシは、「植物性ならエコっぽい」というイメージ戦略で需要が急増し、その栽培のために森が切り開かれているそうです。→こちらなどくわしいです（って、京大ユニセフクラブじゃない。お知り合いいますわ）。

　そのヤシの実洗剤がなくなったのを機に、食器洗いは浴用石けんに切り替えました。
　洗っているときにやや滑りやすいのが難点かな。
　でも泡切れはいいし、お皿の裏の曇りまで、キュッキュときれいに洗い上がるので快適です。
　冬なので手荒れの改善は、まだ残念ながら実感できません。

　せっかく石けんに変えたのだからと、ハンドクリームもやめて調理用のオリーブオイル(エクストラバージン)を一滴手に伸ばして使ってます。すぐに肌に馴染むので使いやすいです。
　これでハンドクリームも買わなくてすむようになったぞ。
　ただしオイルは酸化していると肌にも悪いので（もちろん食べてもおいしくない）、早めに使いきりましょう。

★いよいよ石けんシャンプーに挑戦
　さて、使ってたリンスが切れたのを機会に、いよいよ石けんシャンプーに変えました。
　これがなかなか快適。

　石けんライフの入門者としては、とりあえず使いやすそうな液体タイプの石けんシャンプー＆専用リンスをスーパーで購入。西友の環境優先シリーズです。
　さらっとした液体石けんに、アルカリを中和するクエン酸、あと保湿のためかグリセリンが予め加えてあるものです。使い心地は普通のシャンプーと変わりありません。
　ただし、いっぺんにたくさん手に取って頭に付けると、泡が消えやすく洗いにくいので、何度かに分けて各部分から洗っていくと良いみたい。

　泡を洗い流すと、毛束がくっついたような重い感じがします。
　これは、水道水に含まれる金属イオンが石けんカスになって髪に引っかかるのと、髪の毛が石けんで一時的にアルカリに傾いているせいだそうです。
　なので、専用リンス（お酢を薄めたのでも可）で改めて中和すると、かなりサラッとしてきます。

　それでも、今までのシャンプー＆リンスのツルツルの指通りとは明らかに違い、最初の時には「ちょっと大丈夫なのー？」と思いました。
　で、いつもはタオルドライだけの私ですが、心配なのでドライヤーをかけてみました。
　すると……乾きが早いっ！
　私はけっこう毛量が多く、洗った髪をドライヤーで乾かそうなんて思ったら腕が筋肉痛になるくらいだったけど、あれっと思う間に乾いてしまいました。石けんは水切れが良いからかな。

　仕上がりは軽いですっ。
　余計なものでコーティングされていないキューティクルそのまんまの髪の感触というものを、初めて知りました。
　今までは、知らないうちに１枚ベールを頭に被ってたんじゃないかってくらい、髪の毛が軽く感じるんです。パサつくようなら台所のオリーブオイルでもつけようと思ってたんだけど、その必要も今のところナシ。
　人によっては、傷んだ頭皮が回復するまでの間、フケが出たりするそうですが、私は今のところトラブルはありません。

★これからの目論見
　石けんシャンプーに髪が慣れたら、固形石けんでの洗髪に移行したいんですよね。
　髪の毛も体も顔も、一個の石けんで洗えたら楽ちんだよなと思うので。

　リンスもクエン酸を薬局で買うか、あまり匂いのないホワイトビネガーを仕入れてくるかして、お掃除用と兼用したいですね。お酢に乾燥ハーブを漬け込んでおけば、香りも楽しめるしね。

　そして早いとこ、洗濯も粉石けんにしたい。
　石けん分80％以上の粉石けんだと、洗い上がりがふっくらするとの噂。楽しみだなー。

　ちなみに洗顔後の化粧水もやめちゃいました。
　石けんで顔を洗うのは夜だけなので、どうしても乾きがちな口の周りなんかにだけ、オリーブオイルを塗ってます。
　泡だけでそーっと擦らずに洗顔してるから、突っ張り感はさほど感じません。
　私の場合、普段はノーメイクなので、２日めくらいから皮脂の分泌が「化粧水ナシ」に慣れてきています。
　でも、お風呂上がりにローズウォーターをシュシュッと顔に一吹き……なんてのもいいな。添加物なしのものが見つかったら試してみよう。

　食器を洗っていても髪を洗っていても感じるんだけど、合成洗剤ってずいぶんヌルヌルしてたんだな、ということに気付きます。
　洗剤やシャンプーが手につくと、洗い流すのが結構大変だった。石けんはすぐに流れちゃうのにね。

★合成界面活性剤
　　最近は、合成界面活性剤にもいろんな種類が開発されて、分解されるのが早いのもあるとか、モノによっては「むしろ石けんより環境負荷が少ない」なんて話も、ホントかウソか知らないけど、あるみたい。
　また、石けんの使用が増えると、かえって下水設備に負担をかけるなんて議論も、あるとかないとか（それは合成洗剤を処理する前提で設備を作るから悪いんだろー、と思うけど）。

　眉毛吊り上げてエコロジーに邁進する気はないので、私はどっちでもいいんだけども、とりあえず、よく分かんないときは、人間が長く使ってて影響も害も良く分かってるものの方を選ぶのが妥当かなとは思ってます。
　企業の都合に合わせて、わざわざ急いで新しい化学物質を環境に放出する必要はないものね。

　石けんライフへの移行を一つクリアするたびに、「フフフ……これでまた一つ、市場経済のコマーシャリズムから解放されたわ」と、ささやかな勝利を味わっています。
　石けんライフには面白味があるし、やってて楽しい。生活を自分の手に取り戻す感覚があるのかな。

　石けんや合成界面活性剤、その他添加物のことなどを知りたかったら、とりあえず「石けん百科」の入門編あたりがお薦めです。
　石けんライフの体験談のサイトなどは、検索するとたくさん出てきますよ。石けん愛用者は、意外と多いらしいのだ。