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January 2002

January 08, 2002

近況。カフカの夢

高校サッカーの合間に犬の散歩というのが我が家のお正月でした。

★犬の散歩に行ったら、田んぼのわきで1000円札を1枚拾った。
 年明け早々縁起がイイや、と思ってたら、その晩、今度は駐車場で焼けこげた1万円札を拾う……という夢を見た。
 翌日の散歩中、ちょっと期待してキョロキョロしている自分が健気だった。

★再びカワセミを目撃。今度は川面にそってすーっと飛んでいくところにすれ違った。結構ゴミだらけの川なのに、カワセミの立ち回り先の一つになっているらしい。山の方が寒くなったからなのかな? おとといは、山頂がうっすらと白かった。

★年末に届いたカフカ全集をなで回す日々。
「アメリカ」第一章は、「火夫」というタイトルの独立した短編として、岩波文庫で以前に読んでいた。
 主人公カール・ロスマンは、本国で不祥事を起こしたので両親によってアメリカへと移住させれることになった少年。彼を乗せた船はニューヨークに入港するが、知り合った機関士(=火夫)の待遇についての不満に共感したカールは、火夫とともに船長のいる事務室へ直訴にゆく。火夫の訴えは言葉が空回りし、まったく届かない。が、船長を訪問していたアメリカの上院議員が、カールこそ自分が探していた甥だと言いだす。貧しい移民だったはずが突然、議員の庇護を受けることになったカールだが、火夫の訴えを擁護することは出来ない。「お前もそろそろ自分の立場をわきまえなくてはならない」と言われ、カールは伯父とともにボートで船をあとにする。
 ……と、ここまでが第一章。今回再び第一章を読んだところで、そのままゴロンと寝入ったら、かってに続きを夢に見た。
 NYに上陸したカールと伯父は、地上への階段に続く狭い路地を歩いている。左右には荷揚げされた箱が山積みになっていて、その一角で、男が箱の側面を開け、中の蛇の世話をしている。蛇の箱を覗き込んだ伯父は、蛇に咬まれて神経に毒が回り、発狂して蛇を手に掴んでカールを追いかけ回す。カールはなんとか逃げ延びるが、見知らぬ土地で庇護者を失ってしまう。
 ああ、なんて急展開(しかも伯父さんはうっかり蛇の箱を覗き込むような間抜けじゃないじゃん)。
 実際の続きは、やっぱり伯父さんの庇護は失うんだけど……伯父さんがカールを見捨てる理由って、ちょっとシュールな感じがした。不条理っぽい。
 蛇に咬まれて発狂ってのもシュールだが、単なる偶発的事件だから、カフカ的不条理は足りないな。

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January 01, 2002

あけましておめでとうございます――カワセミ目撃

 ご訪問ありがとうございます。
 2002年が良い年になりますように。

★目撃!!
 大晦日、ダンナとハンナと散歩に出たら、珍しいモノを見てしまいました。
 車の多い大きな道路から一本折れたところに、ちょっとした遊歩道みたいになってる川沿いの道があるんですが、そこで何と、カワセミを目撃してしまいました。
 え、まさか……と目を疑いましたが、間違いなくカワセミ。
 小さな美しい鳥で、背中が輝くような青、腹の方がオレンジで、顔には白いラインが。(→カワセミの写真のページ
 びゅんびゅん車が通っているすぐ近くで、たいして綺麗な川でもないのに……と、びっくり。白鷺や鴨はよく見かける場所ですが、カワセミを見たのは初めて。
 河川の護岸が進んで、カワセミも営巣場所をなくし個体数が減っているらしいですが、あんなに綺麗な生き物を追いやってしまうなんてもったいなすぎる。

 本当に綺麗な鳥です。冬枯れの背景の中、そこだけが総天然色。
 翡翠と書くのもうなずける、宝石みたいな生き物。
 あんまり綺麗すぎて、心配になってしまうくらい。
 綺麗すぎるものは、「手に入れたい」という欲望を刺激するから……。
 でもカワセミは、自分がどんなに美しいかなんて、まるで思いもせず生きてるんだろうなぁ。
 あの美しさと突然出会ってしまうってのは、既にもう啓示の一種だわ、と思った年の瀬でした。

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