『RED☆SHADOW-赤影-』見て来たっ
カッコ良かったです……忍者アクションを堪能。もう1回見たいなーと思うくらい。
初っぱな、布袋さん演じる侍と赤影が、延々とスローでにらみ合うシーンでは、「もしかしてこの監督、笑いのツボがちょっと違うかも……」とドキドキしましたが、その後のノリは軽快。忍び込んだお城の屋根裏で、よその忍者集団が渋滞しているところなんか、お約束の笑いプラス見事なアクションで大笑いさせてもらいました。
テレビでやってた『仮面の忍者 赤影』とは、まったく別の作品になってます。
青影は子供じゃなくて、赤影と同世代の幼なじみ。白影もお爺な仲間ではなく、赤影たちの師匠という感じ。白影の代わりに飛鳥というくノ一が、赤影たちと行動をともにします。
どうやら監督のこだわりらしいのが、無駄な人死にを出さないこと。
初っぱなの布袋さんからして、刀を抜いた途端、何故か刃を返して峰打ちで相手を倒します。
そして赤影の必殺アイテムは、超強力瞬間睡眠スプレー。シュッシュと相手に吹きかけては眠らせてしまう平和ぶりです。
「影一族」の使命自体、「光ある平和な世の中にすること」で、赤影たちの最初のミッションは、戦を回避させるための文書に殿様の署名をもらうこと。
ただ、この辺のピース感が物語として徹底していないのは、ちょっと残念。それでも、バサバサ人を斬って平気でいるような映画より、ずっと好感が持てる。わたし的にはるろ剣、トライガンに続く非暴力シリーズね。
物語は、第2のミッションで急展開。
青影が、自分とそっくりの顔をした敵を殺してしまい、また飛鳥は敵の根来忍者に殺されてしまう。青影が敵を殺すのが先で、そのすぐ後に飛鳥が斬られたと思う。監督の意図がこの順序にもにじみ出てますよね。
この戦いの後、青影は殺し合う忍びの務めに強い疑問を抱き、忍びを抜けてしまいます。一人になった赤影は、飛鳥の死に打ちのめされつつも、単身で任務を続行……なんだけど。
このあたりからの展開は、もう少しうまくやれるんじゃないかな、と思います。
決して悪くはないんだけど、こないだテレビでやってた『タイタニック』の分かり易さと比べると、やっぱり邦画の脚本はまだハリウッドに敵わないのかな……と思います。
赤影と青影、飛鳥の3人の幼なじみの、ちょっと切なくていい関係が細やかに描かれてるのと比べ、後半での赤影の葛藤は、描き方がやや手薄な印象。
琴姫の戦車が張りぼてのハッタリだということを突き止めた赤影は、これを白影に知らせるべきかどうか、もっと悩むべき。
赤影が傷を負ったのもこの時だったかな? 傷を癒し、立ち直る過程が、季節の移ろいを示す風景で綴られるのも、日本人なら分かるだろう的な感じがしてしまう。もっとエピソードで語って欲しい。
傷の癒えた赤影に、琴姫暗殺の指令が下り、赤影の葛藤は頂点に達するんだけど……張りぼて報告の時点で葛藤してないから、やや唐突な印象。
とりあえず指令に従ってお城に忍び込んじゃう赤影には、あんましゆっくり葛藤してる暇もない。
根来衆の襲撃とバッティングした赤影が、ついつい命令違反をして琴姫を守ってしまうという展開は、正しいんだけどなぁ。優柔不断が赤影のキャラなのかな。
あと、キャスティングの好みで言うと、陣内の悪役、津川雅彦のタヌキ爺、竹中直人の白影は、はまってるけどはまりすぎで意外性がない感じ。見たこともないものを見せて欲しいこちらとしては、彼らが画面に出てくると、どっかで見たような印象を持ってしまう。根津甚八や風間杜夫は気にならなかったんだけど……。フミヤの乱丸って、ちょっと老けてないか? いや、若作り激しいから見た目に違和感はないんだけど、安藤くんの赤影のライバルなら、20代の役者さんを使った方が自然なのでは。
う~ん、さらに好みの問題で言ってしまうと、赤影の安藤くんはとても好演してるんだけど、あの系統のハンサムなら中村俊介くんの方が好きなんだー。あ、でも、湖畔で月を見るシーンの後ろ姿、赤影のお尻が恐ろしくカッコ良かったから……ま、いいか。
特筆すべきは篠原涼子の「美人按摩」のシーン。青影のダメダメぶりも相まって、このシーン、あたしは思い出し笑いできますよ。
赤影はもちろん、青影もとてもカッコ良かったし(あんまり強くないところがこれまた良い)、飛鳥もすごくかわいくてカッコ良い女の子だった。つくづく、俳優さんって「カッコイイ」がお仕事なんだなぁと思ってしまった。
布袋さんのゲイリー・ムーアちっくなギターのテーマソングも、ラストの味わいを深めて印象的でした。
酷評も多いみたいですけど、私は映画ファンじゃないし、単純に見終わって「楽しかったー」と思える映画でしたよ。
続編は作られないのかな?
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