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July 05, 2001

ゴーショーグン、知ってますか?

 ああ……買ってしまいました。「戦国魔神ゴーショーグン DVD-BOX」。やっぱ私、ダメ人間かも知んない。でも、モモリスに触れたシュドー・チャイルドとしては、日銭が入るとふらふら手がでてしまうのよ……(意味不明な方、ごめんなさいね)。

 原案・脚本 首藤剛志、演出・監督 湯山邦彦……といえば、今はポケモンで一世風靡してるコンビですが、ゴーショーグンは首藤・湯山コンビの元祖。私はゴーショーグン以来、首藤先生のファンで、ミンキーモモとこのゴーショーグンが、けっこう青春の記念碑なわけです。
 若い世代の方たちがゴーショーグンを知ってるとしたら、スーパーロボット大戦で知ったか、アニメ・チャンネルで再放送されたのを見たかでしょう。たぶん、今の人が見ても、けっこう面白くて変なアニメだと思います。

 オモチャ屋さんがスポンサーのロボットアニメでありながら、当時まだ珍しかった大人の会話劇で、誰も死なない最終回というのも、とても珍しかった。会話劇としては……J9シリーズやカウボーイ・ビバップなんかの先駆けと言えるのかも。
 作画や動画は、まぁ、当時の平均的な予算の限界で、ちと辛いところはあるけどもね。「一生懸命、透過光つかいましたっ」って時代ですよ、当時の最新ギジツ。

 ゴーショーグンの魅力は、やはりキャラの個性に尽きると思います。大人になるのも悪くないな……と思わせてくれるキャラクターたちでした。大人の役目って、それで充分かも知んない。
 主人公側のメンバーは、戦闘中も冗談を言い合って雇われファイターのスタンスを崩さない。正義のために命を懸ける覚悟なんて、さらさらない。振り回すような正義を持っちゃいないと自覚しつつ、でも、譲れない一線はちゃんとあったりして。
 国連平和部隊破壊工作員上がりの真吾。
 ヨーロッパでスパイやってたのが任務に失敗して処刑されるところを拾われてきたレミー。
 ブロンクスのギャングで懲役200年を宣告されて逃げ込んできたキリー。
 もちろん敵キャラもそれぞれ魅力的。
 片目で肩にはカラス、精神安定剤を手放せない製薬会社社長、大国の大統領候補でもあるカットナル。
 元ボクシングのヘビー級チャンピオンで、外食産業チェーンの社長でもある愛妻家のケルナグール。
 片手に赤いバラ、片手にブランデー、二言目には「美しい……」と独自の美学を振り回す情報局長ブンドルさんなんか、もー衝撃的でした(塩沢兼人さんのお声が、また、異常に素晴らしくて……合掌)。
 アクの強いメインキャラ6人は、その後、敵味方の垣根を越えて小説版でともに活躍を続けました。アニメージュ文庫から8冊でたところで、中断のままかれこれ10年です。

 今回のDVD-BOXには、劇場版とOVA『時の異邦人』も含まれてます。劇場版は、テレビ放映された中から二話をつなげて、途中に爆笑もののCMを挟むという反則技のゲリラ攻撃。制作側も「二度とはできない」と仰っておられます。

 『時の異邦人』の方は、ちゃんと力の入ったOVAで……これが思春期のバイブルだった方、実はけっこうおいでになるのではと思うのですが。
 たどり着いた砂漠の町で、6人は自らの死を予告する「運命の手紙」を受け取る。素直に死を待つタマじゃないもんで、運命に逆らう彼らに町の住人たちは憎悪と敵意を向ける。
 2日後の死を予告されたレミーの、運命との戦いがメインのストーリーなんですが、同時に、子供の頃のレミーと、年老いて交通事故で死にそうなレミーの時間軸も挿入されるという、ちょっと洒落た作りで、「運命に逆らうことの意味」をテーマにしています。(→詳しい紹介は那智さんのサイトのこちらのページでどうぞ)
 ほかにこちらなども。

 十代の頃、私は首藤先生に影響を受けまくりで……考えてみればコバルトで書いてたシャラナのシリーズも、ミンキーモモとレミーちゃんのちょうど中間の年齢で同じタイプのヒロインが書きたかったんですね。オリジナリティないっす(髪ピンクだったしさぁ)。
 最初の頃は、首藤先生も小説が上手とは言い難かったけど、ストーリーテリングは天才的だし、脳天気なキャラにシリアスなテーマでドラマ性ありまくりだし。こんなふうにお話書きたいって、すごく思ってました。展開の早さとか、すごく学ばせていただきました。

 でも……本当言うと、小説版のゴーショーグンにしろ、「永遠のフィレーナ」(小説オリジナル、アニメージュ文庫から全9巻)にしろ、首藤先生の描く異世界って、私にはそれ程ジャスト・フィットしない。歴史とか科学に対する考え方が、だいぶ違うから。
 だからむしろ、ゴーショーグンなら最初の2冊や番外編の「幕末豪将軍」、それから「都立高校独立国」(オリジナル。アニメージュ文庫上下巻)みたいな現実世界ベースのお話の方が好きだったりする(同じ番外編歴史物でも「美しき黄昏のパバーヌ」は、【暗黒の中世】観が鼻について、ちょっとダメなんだけど。【中世お気楽楽園説】だから、私)。
 世界観は今一フィットしないんだけど、どんな世界であれ、その中で生きてるキャラクターは、すごく魅力的で共感できちゃったりするのよね。今でも、好きな作家の一人にあげてしまうのです。
 ゴーショーグンを見てみたいという方、京都まで来ていただければ、ぜひとも我が家で鑑賞会やりましょう(^_^;)

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